クレジットカードといえばポイント!クレジットカード会社はそれぞれのポイントプログラムを用意していて、カード利用などに応じてポイントを発行してくれる。これはすごく嬉しいサービスなのだが、よく考えてみたら、「なぜクレジットカードを利用するだけでポイントが貰えるの?」「カード会社は損しないの?」などという疑問も浮かんでくる。
今回は、その辺りについて詳しく解説していきたいと思う。なぜ、ポイントが貰えるのか?そのしくみを理解して、よりたくさんポイントを貯めるモチベーションを高めて欲しい!
クレジットカードのポイントプログラムのしくみ:
そもそも、ポイントプログラムとは:
クレジットカードのポイントプログラムとは、クレジッ トカードを利用した金額に応じてポイント(報酬、ご褒美)がもらえるサービスのこと。ポイントを貯めるとギフト券や暮らしに役立つ商品と交換したり、マイルや電子マネーに交換したり、支払いの一部に使えたりする。
もちろん、これはカード会員にクレジットカードをどんどん使って貰うための販促策。実際、クレジットカードをよく使っている人にその理由を聞けば、ポイント目当てという人がかなり多い。特に、節約志向が高い今の時代、少しでもお得にポイントが貰えるクレジットカードは大人気だ。
しかし、なぜクレジットカードを利用するだけでポイントが貰えるのか?特に一括払いでクレジットカードを使っている場合には、金利や手数料はかからない。それにもかかわらずポイントを発行すると、クレジットカード会社は赤字になってしまうのでは?と、ちょっと気持ち悪く感じる方もいるかもしれない。
クレジットカードポイントが貰える理由は加盟店手数料:
しかしそれは大丈夫。結論から先にいってしまうと、クレジットカードを利用するだけでポイントが貰える理由は、クレジットカード会社には加盟店手数料という収入があるためだ。
私たちがクレジットカードを加盟店(クレジットカードが使えるお店やレストラン)で利用すると、加盟店はクレジットカード会社に手数料を払うことになっている。詳しくは加盟店手数料のページを見てほしいが、この手数料収入があるからこそ、クレジットカード会社はポイントという形で、会員に利用のお返しをすることができるというわけなのだ。
クレジットカード利用の手数料負担(お店で一括払いをした場合):
関係者 | 支払い相手 | 手数料 |
---|---|---|
カード会員(利用者) | お店 | 手数料の支払い無し |
カード会社 | 手数料の支払い無し | |
お店 | みなさん | 手数料の支払い無し |
カード会社 | 加盟店手数料の支払い有り | |
カード会社 | みなさん | ポイント還元 |
お店 | 手数料の支払い無し |
これを、図でもみてみよう。
ポイントが貰えるしくみ:
このようにクレジットカード会社は加盟店から加盟店手数料を徴収し、その一部をカード会員に返している。ちなみに、加盟店手数料は業界や企業規模などによって異なるが、平均的には売上金額の3~5%程度。その一部をポイントとして付与するのが、クレジットカード会社のポイントプログラムの仕組みなのである。例えば以下のようになる。
加盟店手数料とポイントの事例:
費用 | 金額 |
---|---|
カード利用金額 | 1000円 |
加盟店手数料 | 30円(3%の場合) |
ポイント還元 | 10円相当(ポイント還元率1%の場合) |
この場合、30円の加盟店手数料のうちの10円が、カード会員にポイントとして還元されている。ちなみに、最近ではクレジットカード会社間の競争が激化しているため、加盟店手数料が徐々に低下。その結果として、クレジットカードポイントとして会員に還元するための財源が少なくなってきており、時にはポイント制度の改悪が行われたりもするのである
■カード会社はポイント制度を魅力的なものにすることで利益を得ようとしている:
ポイント制度を魅力的なものにすればするほど、自社のクレジットカードを利用してくれる人が増える。利用してくれる人が増えると加盟店手数料、つまり収入が増えるため、クレジットカード会社の利益も増える。こういった好循環を生み出すために、クレジットカード会社は日々、ポイント制度を魅力的にするための特典やキャンペーン磨きに精を出しているわけだ。
ポイントとして利用者に還元する割合はクレジットカードによって様々:
先に説明の通り、クレジットカードを利用でもらえるポイントには、加盟店手数料収入の一部が充てられる。もちろん、どの程度をポイント還元するかは、クレジットカードによって様々なわけだ。
例えば加盟店手数料のうちの30%分をポイントとして還元すると決めている大手クレジットカードもあれば、思い切って50%を還元し、「ポイントが貯まりやすいクレジットカード」としてアピールして人気を集めているものもある。どのくらいをポイントとして還元するかは、クレジットカード会社によってまちまちなので、せっかくなら、気前よくポイントを発行してくれるクレジットカードを探してみて欲しい。
ポイントのお得さと知名度とは、逆相関!?:
ちなみに一般的には、知名度のあるクレジットカード会社であればあるほどポイント制度に魅力がなく、新興カード会社や知名度がないクレジットカード会社ほどポイント制度に力をいれている。
カード会社とポイント比較:
比較項目 | ポイントの貯まりやすいさ |
---|---|
大手発行のクレジットカード | 総じてカードポイントが貯まりにくい |
中小発行のクレジットカード | 総じてカードポイントが貯まりやすい |
その理由は単純。説明の間でもないかもしれないが、大手クレジットカード会社ではポイント制度を魅力的にしなくても勝手に利用者が増えるのに対し、知名度のない弱小クレジットカード会社の場合は、ポイント制度をかなり魅力的にしないとなかなか会員を集めることができないためだ。
「どうしても大手発行のクレジットカードしか使いたくない!」という方は別として、ポイントのお得差で選ぶなら、中小や後発のクレジットカード会社発行のカードがおすすめ。ぜひポイントが貯まりやすいクレジットカードを探してみて欲しいと思う。