調停: 当事者同士の間に第三者が仲介し、合意に基づいて紛争を解決すること。
当事者同士が、訴訟のような強制性のある手段ではなく、法律を規範としながらも話し合いで解決しようというときに使われます。仲介者(調停委員)は該当する分野の専門家が努めるため、円滑で実情に即した解決を図ることができます。
なお、調停には2種類あります。離婚や遺産相続など家族間紛争を取り扱う「家事調停」、その他の一般民事紛争を取り扱う「民事調停」です。また、民事調停の中には特定調停と呼ばれる、債務の返済が困難な債務者向けの調停があります。
民事調停のメリット
民事調停は、以下のようなメリットがあります。
・手続きが簡易で、費用があまりかからない
・話し合いの場は非公開なので、プライバシーが保護される
・成立した合意を記載した調停調書は確定判決と同等の効力をもつため、相手が従わななくても強制執行ができる
・当事者同士の理解を促すため、その後もビジネスパートナーとしての関係性を保てるかもしれない
ただし、次のような事も起こり得ますので注意しなければなりません。
・話し合いが不調に終わった場合、通常訴訟に移行することもできる
特定調停について
このまま返済を続けていくのが困難な債務者(特定債務者という)が、生活の立て直しを図るために、債権者やその利害関係者と返済を続けていく手段を話しあう調停です。
まず調停委員が債務者に対して丁寧なヒアリングを行い、それを法律による解釈を施した上で、返済義務のある債務額を算出します。債務者はその結果をもとに債権者らと交渉し、できる範囲での返済額や方法の決定へと、合理的な解決を図ります。基本的なしくみは民事調停と同様です。