チケット: 一般的には切符のこと。
チケットとは切符や入場券、乗車券、食券などのことを言うのが一般的。しかし、日本の消費者産業においては、クレジットカード誕生前の信用販売形態を言い、この場合、クーポンと同じような意味で使用さています。
チケットによる割賦販売は1950年代に始まる
チケットによる割賦販売は1950年代に始まりました。
チケット販売は、勤め先などを通じて消費者に金額が印刷されたチケット冊子(50円券、100円券など)を事前に交付。消費者は特定の加盟店での買い物時にそのチケットで支払い、その代金は後日給与より商品購入代金を差し引かれる…という仕組みで、京都専門店会が発行したのが始まりのようです。
専門店会は加盟店への商品代金を立て替え、後日職場より一括して商品代金を回収します。このチケットは、最初は顧客囲い込みのために利用され、分割回数も3回程度、割賦手数料もありませんでした。また、消費者の相互連帯保証を採用しており、不払いが生じた場合は職場の利用者全員が責任を負うというものでした。
チケットシステムは全国に広がった
その後、この仕組みは全国へ広がりを見せ、割賦購入手数料を取り始めたほか、通帳方式(三昧連射の伝票を10セット程度の通帳にして利用するもの)や、小切手方式(小切手のように金額を記入して利用するもの)などを採用するところも出てきました。
このようにチケット販売の競争が激化して行きましたが、1960年代~1970年代にかけてクレジットカードへの移行が進み、チケットシステムは徐々に消えていったのです。