
クレジットカードの「多重申込」とは、ごく短い期間内にクレジットカードを複数枚申し込むこと。多くのクレジットカードに重ねて申し込むという意味で、「多重申込」と呼ばれる。
多重申込みをしてしまうとクレジットカードの入会審査で不利になることが多いのだが、このことを知らない人は多いようだ。
そこで、今回はクレジットカードの多重申込みは何かという解説から、審査に与える影響、審査にマイナスにならない方法までを解説しよう。
1.クレジットカードの多重申込の問題点
クレジットカードの多重申込とは

クレジットカードの多重申込とは、一定期間にたくさんのクレジットカードに次々と申込みをすることをいう。
例えば、「あるクレジットカードに申し込んだけど審査落ちしてしまったので、別のカードに申し込んだらまた落されてしまった」などということを続けていると、本人も気づかないまま、いつのまにか多重申込になってしまい、それが次の審査落ちの原因になっていたなどということもあるのだ。
実は、クレジットカードに申し込んだという記録は、個人信用情報機関の記録を見ればわかるようになっている。審査にあたって、クレジットカード会社は簡単にチェックすることができる。
そして、多重申込だとみなされてしまうと、新規のカード審査に通りにくくなる場合があるのだ。そのことを知っているのと知らないのとでは大きな差が生まれるので、この機会にぜひマスターしておいてほしい。
クレジットカードの多重申込の問題点とは?
たくさんのクレジットカードに申し込んでも勝手でしょ?別にいいんじゃないの?何が悪いの?と思う方もいるかもしれないが、クレジットカード会社の立場に立って考えてみよう。
お金に困っているとみなされてしまう多重申込
普通の状況なら、ひとりの人が一時期に急に複数枚のクレジットカードが必要になること自体、ちょっと不自然。
クレジットカード会社は、「何かおかしいのでは?」と疑いをもつのも当然ではないだろうか。
クレジットカードをいきなり複数枚申し込むという理由としては、以下のようなことが考えられる。
- 持っているクレジットカードの限度額がもう一杯なのに、さらに買い物をしたいため
- どうしても必要なお金をキャッシングしたいため
つまり「お金に困っていて、どうしてもクレジットカードが必要になったのでは?」と疑われてしまい、そこが問題視されて、審査に不利になってしまうというわけだ。
限度額まで使い切って自己破産するなどと言う計画的な人もいるので、クレジットカード会社としては慎重にならざるを得ないわけなのだ。
疑わしきは審査通過させないのがクレジットカード会社
クレジットカード会社としては、その人が、本当にお金に困ってクレジットカードを入手しようとしているのか、そうではなく純粋にいろいろな種類のクレジットカードが欲しくなったのかの区別はつかない。
ただ、自己破産などで貸したお金が回収できなくなるという「貸し倒れリスク」を避けるために、疑わしきは審査で落としてしまうわけだ。
このようなことから、本来であれば審査に余裕で通過できるはずの人でも、何枚も同時にクレジットカードを申し込んでしまったばかりに、全てのクレジットカードで審査落ちしてしまうというような結果になりかねないのだ。
できる限り時間を置いて申し込むようにしてみて欲しい。
2.多重申込みになる具体的目安とは?
ここまで読んだ方が知りたいのは、「では、どのくらいの申込数であれば多重申込と見られないですむのか?」ということだと思う。
しかし、これはなかなか難しいところ。各クレジットカード会社によって基準も異なり、もちろん公表されているわけではないので、一概に言うことはできない。
以下に、だいたいの目安について説明するので参考にして欲しい。
半年以上間隔をあけて申し込むのがおすすめ

一般には、多重申込にならないためには、半年間に2枚以上申し込みしないようにするのがいいとされている。
同時に2つのカードの申込むのもあまりよくないとされており、できれば、ひとつ申し込んだら半年はあけることが望ましい。
根拠は個人信用情報機関の情報保管期間
では、なぜ半年の期間をあけてクレジットカードを申し込んだほうが良いのかというと、個人信用情報機関に記録されたクレジットカードの申込履歴は、半年経てば自動的に削除されるからだ。
逆にいえば、申し込み後半年間は、あなたが、いつ、どのクレジットカードに申込みをしたかが、他のクレジットカード会社にもわかってしまうというわけである。
しかも、その後のクレジット情報(成約情報)を見れば、審査に通ったか・落ちたかまでも推測可能になっている。他のクレジットカード会社が落としたという情報は、かなりのマイナスになるだろう。
なお、個人信用情報機関に登録されている自分の情報は開示請求をすれば自分で見ることができるので、どうしても欲しいクレジットカードがある時には、申込をする前にとりよせて確認してみてはどうだろうか。
クレジットカード会社には履歴が残り続ける
ただし、半年でクレジットカードの申込履歴が消えるというのは、個人信用情報機関で管理されているデータの話。
クレジットカード発行各社の社内データには、あなたの申込履歴は半永久的に残り続けている可能性もある。もちろん、同じクレジットカードへの次の申込みの際にもチェックされることになる。
ただし、半年も期間があけば、クレジットカード会社はきちんと再審査の対応してくれる。同じクレジットカードに2度、3度と申し込みをすることはもちろん問題ないので、欲しいクレジットカードがあるならぜひ、一度審査に落ちたからといって諦めずに何度でもトライしてみてほしい。
半年も経てば個人信用情報なども変わっているため、審査に通りやすくなっているかもしれない。
3.クレジットカードの審査は総合判断

とはいえ、クレジットカードの審査は総合判断なので、多重申込みすると100%審査に落ちてしまうというわけではない。
職業や年収などの属性評価が高い方であれば、同時期に3枚程度なら問題なしと考えられるケースもある。実際に、ネット上を探せば、さまざまな情報が見つかることだろう。
どうしても複数枚のクレジットカードを手に入れたい場合には、自分の信用度合いなども考慮して考えてみて欲しい。
信用度合いと多重申し込みの影響
信用度合い | 枚数の目安 |
---|---|
一般的な収入の方、クレジットヒストリーが普通な方 | 半年間に2枚くらいの申込に抑えておいたほうが無難。 3枚以上になると、審査が途端に厳しくなる可能性がある。 |
高所得者な方、クレジットヒストリーが良い方 |
3枚くらいまでなら申込をしても問題なく通過できる可能性が高い。属性によってはそれ以上でも問題ない場合もある。 (私も半年で5枚くらいの申込みをしたことがあるが全て審査通過できた)。 |