クレジットカードは、いくらでも好きなだけ利用できるものではなく、必ず利用限度額が決められる。この限度額は、クレジットカード会社側の言葉では「与信枠」と言われ、その人の信用度合に応じて設定される。あなたがクレジットカード会社から信用されればされるほど、与信枠は大きくなるというわけだ。
初めてクレジットカードを申し込んだ時の入会審査で、この与信枠をいくらにするかを決める作業が初期与信。つまり、初期与信とは、あるクレジットカード会社に初めてカード発行を申し込んだ時に、最初に行われる与信のことなのだ。そのしくみや特徴などについて、以下に説明して行こう。
クレジットカードの初期与信についての基礎知識:
初期与信枠は、誰でも意外と低い:
審査を通過してクレジットカードが発行されても、初回の与信枠が思った以上に低いということは珍しくない。他のクレジットカードではもっと大きな枠があるし、年収も高い方なのに…。そんな疑問や不満を感じることもあるかもしれないが、気にする必要はない。初期与信というのは、その人の属性にかかわらず低めに設定されるものなのだ。
属性も悪くないし、個人信用情報も問題なし。そんな場合でも、そのクレジットカード会社との関係においては、まだ信用が築けていない、いわば白紙状態だからだ。
よほど信用度合いの高い専門的な職業の人や、公務員などの安定した身分の人なら多少は大きめの枠がもらえるかもしれないが、一般には、最初は限度額10万円のクレジットカードが届くなどということも珍しくはない(一般カードの場合)。
クレジットカード会社は履歴重視:
ところで、どうして初期与信は低めに設定されてしま うのだろうか?それは、クレジットカード会社が、最初は枠を小さく抑え、その人の利用履歴を見ながら信用度合いに応じて枠を広げて行くというやり方を基本としているからだ。初期与信は、いわば最初の入り口。枠が小さくても何も気にする必要はない。
初期与信の後、途上与信を行う:
クレジットカード会社としては、信用できる人にはたくさんの枠をつくってどんどんカードを使ってほしいのはやまやまだが、最初から大きな枠を与えて延滞や踏み倒しをされるのは避けたい。初期与信枠を少なめに抑えるのは、クレジットカード会社にとっての一種のリスク管理なのだ。
そのため、初期与信枠を設定してカードを発行した後、途上与信を行って、与信枠(=限度額)の見直しを行っている。その人のカードの使い方を見守りつつ、ある意味石橋をたたきながら与信枠を広げて行くという感じだろうか。
大切なのは利用して返済すること:
例えば、初期与信枠は10万円でも、利用と返済を確実に繰り返せば、30万円、50万円と枠は増えて行き、やがては100万円になる…という具合である。私自身、気が付けば、いつのまにか枠がどんどん増えていたという経験はよくある。
枠を拡げたければ、最初は限度額10万円のクレジットカードであっても、コンスタントに利用して確実に返済し、しっかりとしたクレジットヒストリーを作ることだ。それを続ければ、やがてはゴールドカードのお誘いが届くようになることだろう。
最初は少ないと思うかもしれないが、まずはその与信枠で我慢し、自分で枠を育てるつもりで頑張ってみて欲しいと思う。
初期与信枠は小さくても気にしない。
利用実績で枠を広げて行こう!
クレジットカードの信用を高めるコツは、コツコツとマメに使って、きっちり返済すること。無理してたくさん使おうとする必要はない。手に入れたいクレジットカードが見つかったら、まずは申し込んでみて欲しい!