クレジットカード申込時に必ず記入欄があるのが「年収」。この年収の記載内容については、審査に大きく影響するのでは? と、気にする方が多いかもしれない。実際はどうなのだろうか? くわしく説明していきたい。
クレジットカード申込時の「年収」に関する記入
実は、年収はあくまで目安程度に扱われる
「年収が高ければ高いほど、クレジットカード審査に通りやすいのではないか? 」と思っている方が多いと思うが、実は年収の多い・少ないについてはそれほど審査に影響しないと言われている。
なぜかといえば、クレジットカード申込時に記入する年収にはその証明義務が存在しないためだ。たとえば年収300万円しかもらっていない人が、「私の年収は800万円だ」とウソの年収を申告したとしても、クレジットカード会社側には確かめようがないのだ(ただし、キャッシング枠が必要な場合には収入証明書の提出が必要な場合もある)。
クレジットカード申込と収入証明
比較項目 | 収入証明書 | 解説 |
---|---|---|
クレジットカードの通常申込 | 提出不要 | クレジットカードの申し込みの際に、ショッピング利用だけであれば収入証明書の提出は不要。そのため、申込時にかかれた年収が正しいかどうかをクレジットカード会社では確認できない。 |
キャッシング枠が必要な場合 | 提出必要? | 大きめのキャッシング枠が必要な場合には、源泉徴収票などの収入証明書の提出を求められる場合がある(少額の場合には提出不要なケースも多い)。 |
もちろん虚偽の年収を申告することはクレジットカード会社をだますことになるのでやめてほしい。ポイントは、カード会社は申告された年収が正しいかどうかの真偽は確かめようがないので、審査において年収は意外と重視されないということだ。
最近では年収項目よりも職業や勤続年数のほうをクレジットカード審査では重要視する傾向が強まりつつある。地方公務員で35才ならだいたい年収はこのくらい、アルバイトで働く25才ならこのくらいの年収……といったように、職種や勤務先で年収を予測してカード審査を行うといった具合だ。
個人事業主や会社経営者は年収が重要視される
では、年収は審査に影響しないのか? といえばそんなこともない。カード会社からみれば職業や勤続年収、所属部署などである程度の年収は推測できるが、あくまでそれは推測にすぎないので、記入された年収金額についてもきちんと考慮していると思われる。
年収が特に重要になるのは、個人事業主や商店主、そして会社経営者など。これらの年収を推測することができない職業の場合には、どうしても年収欄に記入された金額で「どのくらいお金に余裕があるのか? 」といった審査をするしかない。そのため、そういった職業の方の場合には、年収は特に重要だと言えるだろう。嘘偽りなく、正しく自分の年収を記入するようにしよう。
クレジットカードが作れる年収の下限値
年収は意外と重視されないと聞いても、パートやアルバイトなどの方は、「自分は年収が少ないけど大丈夫? 」と気になると思う。これについて、「年収◯◯万円以下ならクレジットカードは作れない」といった基準は明らかではなく、各クレジットカード会社の判断なので、一概には言えないが、一般には年収200万円がひとつの目安だと言われている。
ただし、それ以下でもクレジットカードが作れたという人は存在するので、チャレンジしてみよう。申込条件にパート・アルバイトも可能と記載されているような、年会費無料のクレジットカードを選ぶと通りやすい。当サイトでも、いろいろ紹介しているので参考にしてほしい。
年収記載にあたっての注意点
サラリーマンの年収は、税込で書こう!
給料をもらっているサラリーマンの多くの方が勘違いしているのは、「年収」は手取り年収のことではなく、支給された給与総額のことだ。
給与明細を見れば分かるが、給与は税金やら保険料やら積立金やら、各種費用が天引きされてから支給される。それが手取り額になる。そのため、「毎月手取りで20万だから、俺の年収は240万円だな」と思っている方も、実は支給総額で見れば年収300万円以上あるということも多い。
支給総額と手取り額
明細 | 金額 |
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支給額(給与明細の天引き前の金額) | 25万円 |
手取り額(保険料や住民税などを天引きされて銀行に振り込まれる額) | 20万円 |
この場合の年収は、20万円×12ヶ月で240万円ではなく、25万円×12ヶ月で300万円になる。
夏や冬のボーナスも年収に加える
また当然ながら、年収には夏冬のボーナスも合算可能。月に25万円の給料をもらっていて、ボーナスが夏冬合計で100万ある方は、25万×12ヶ月+100万円で年収は400万円になる。
年末(あるいは年始)には、会社から1年間の総支給額がわかる源泉徴収票をもらえるはずなので、自分の年収を確認してみよう。
実績がない人は見込みでOK
まだ就職したばかりとか、最近転職した……という場合は、どう書けばいいのか迷うかもしれない。このようなときは、今後1年間に得られる収入の見込みを記載すれば大丈夫。つまり、その時点での見込みの年収を書くようにすればよい。新入社員の場合でも、自分の給与月額は給与明細で確認できるはず。月給×12ヶ月で年収を算出しよう。実績が少ない方は、年会費無料のクレジットカードなどから始めて、クレジットヒストリーを作っていくのがおすすめだ。