クレジットカードのポイントには、大きく分けて有効期限があるものと有効期限がないものの2種類がある。それならもちろん有効期限がないクレジットカードの方が得!と思うかもしれないが、話はそれほど単純ではない。
ポイントの有効期限だけでクレジットカードを選んでもいいのだろうか?今回は、クレジットカードポイントの有効期間について徹底的にまとめてみたいと思う。ぜひ、参考にして欲しい。
クレジットカードポイントの有効期限を理解しよう:
有効期間はクレジットカードの種類によって様々:
まず、知っておきたいのは、クレジットカードのポイント有効期間は、クレジットカードの種類によって様々だということ。同じクレジットカード会社が発行しているクレジットカードであっても、有効期限にはバラ付きがあるので注意が必要だ。有効期限がない「永久不滅ポイント」で有名なセゾンカードでさえも、ポイント有効期限のあるクレジットカードを発行しているのだ。
クレジットカードのポイント有効期限にはどのようなパターンがあるかを、表にまとめてみよう。
ポイント有効期限のパターンいろいろ:
ポイント有効期限 | 解説 |
---|---|
ポイント有効期限1年 | ポイント有効期限が1年という短めに設定されているクレジットカード。 こういったクレジットカードは見た目のポイント還元率を高く設定している傾向があり、あまりクレジットカードを利用しない方のポイント失効分で、全体的なポイント還元率を下げようとする狙いが見受けられる。 |
ポイント有効期限2年 | 最も多いのは、有効期限が2年に設定されているもの。大手クレジットカード会社発行のクレジットカードの場合には、これが基本になっている。 |
ポイント有効期限3年 | 3年と、比較的長めに設定されているクレジットカードも少ないながら存在する。3年もあればポイント失効を気にせず貯められるだろが、かなり稀なケースだと思っておこう。う。 |
ポイント有効期限5年 | 本来は2年か3年なのだけれども、延長手続きをすると5年になる…といったクレジットカードが主。5年も有効期間があれば、かなり有効に活用できるはずだ。 |
ポイント有効期限無し | 永久不滅ポイントが有名だが、他にもポイント有効期限のないクレジットカードは意外と多い。じっくりとポイントを貯めたい方にはおすすめだ。 |
利用日から1年間ポイント有効 | 楽天カードで貯める楽天ポイントのように、クレジットカードを最後に利用した日から1年間、ポイントが有効というもの。このパターンも意外と多い。頻繁にクレジットカードを使う方であれば、実質的には有効期限無しと同じだと考えて良いだろう。 |
ポイントの有効期限がわかる図:
ポイント有効期限でクレジットカードを選ぶ時の目安:
最初にも書いたように、「ポイント有効期限の無いものを選んでしまえば良いのでは?」と思われるかもしれないが、実際にはポイント有効期限のないクレジットカードはかなり少ない。数あるクレジットカード全体のうちの1~2%程度といってもいいのではないだろうか。
そのため、「ポイント有効期限の無いもの」という前提を作ってしまうと、たくさんのクレジットカードを最初から排除してしまうことになり、選択の幅が極端に少なくなる。これでは、自分にとってお得なクレジットカードを選ぶことができなくなってしまう。
毎月の利用金額と有効期限の関係:
そこで、ちょっと視点を変えて、「どのくらいの利用金額があれば、ポイント有効期限を気にしなくても良くなるのか?」ということを考えてみよう。
ポイント還元率が0.5%で、最低交換ポイント数が5,000ポイント。これを5,000円分の商品券と交換できるクレジットカードがあるとして試算してみよう。この場合、最低交換ポイントである5,000ポイントを貯めるには、100万円の利用が必要となる。
5,000円÷0.005=1,000,000円
つまり、5,000ポイントを貯めて、5000円の商品券と交換するためには100万円の利用が必要だということになる。これを有効期限別に試算してみよう。
有効期限別月間利用金額シミュレーション:
ポイント有効期限 | 月間利用額 | 解説 |
---|---|---|
ポイント有効期限1年 | 8.3万円 | 月間8万3000円以上のクレジットカード利用をしないと、ポイントは交換できずに失効していく。 |
ポイント有効期限2年 | 4.2万円 | 月間4万2000円以上のクレジットカード利用をしないと、ポイント交換できない。 |
ポイント有効期限3年 | 2.8万円 | 月間3万円程度の利用があれば5000円の商品券と交換が出来る。 |
ポイント有効期限5年 | 1.6万円 | 月間1万6000円程度の利用があれば5000円の商品券と交換が出来る。 |
ポイント有効期限無し | 制限無し | 年に100円しかクレジットカードを使わなくてもポイントは失効しない。 |
利用日から1年間ポイント有効 | 年に1度の利用 | 年に1度でもクレジットカードを使えば、いつまでもポイント失効しない。 |
これを見れば、一目瞭然ではないだろうか。どんなに魅力的なクレジットカードであっても、目安とする月間利用額に到達しないのであれば、ポイントは常に失効してしまう、ということがわかるだろう。クレジットカードをあまり使わないという方は、できる限りポイント有効期限の長いものか、有効期限の無いものを選んだほうがムダがない。一方、クレジットカードをよく使うという方は、ポイント有効期限が短いものも選択肢として考えることができる。
もちろん、この計算表はあくまでも、考え方を分かっていただくためのもの。また、標準的なポイント還元率であ0.5%の場合の試算になっている。しかし、当サイトで紹介しているようなポイントが貯まりやすいクレジットカードであれば、月額利用金額が少なくてもポイント交換は可能になる。例えば、還元率1%のクレジットカードを選べば、月額利用額は半分で済む。それほど神経質になって、ポイント有効期限だけでクレジットカードを選ばなくてもいいかもしれない。
ポイント有効期限が長いからといって油断しているとダメ:
ポイントの有効期間が長い、もしくは無期限のクレジットカードを持っている場合も安心はできない。「ポイント交換はいつでもいいや…」と、長年、ポイント交換をしてこなかった方は、もしかすると損をしているかもしれない。というのも、クレジットカードポイントの価値というのは常に同じではないためだ。
例えば、ある実在するクレジットカードの例で言うと、2008年の時点で1ポイントあたりの価値が5円だったものが、いつの間にか改悪を繰り返し、2012年の時点では約3円の価値しかなくなってしまった。こういったポイント価値の低下はなぜ起こるのかというと、ポイントはあくまでも付帯サービスなため、貯まったポイントで交換できるアイテムは、クレジットカード会社側で自由に変更できるためだ。
先程の例で言えば、以下のようになる。
比較項目 | 概要 |
---|---|
2008年 | 5000円の商品券に交換するために必要なポイント数は1000ポイント。 |
2012年 | 5000円の商品券に交換するために必要なポイント数は1650ポイント。 |
つまり、貯まったポイントを使わないで長年持ってしまったために、1ポイントあたりの価値が低下。結果として、本来であれば少ないポイント数で商品券と交換できていたものが、気がついたら更に多くのポイントを集めないと交換できなくなってしまっていた…などということになりかねないわけだ。
ポイントは貯まったらすぐに交換するのがおすすめ:
セゾンカードの永久不滅ポイントのように、「1ポイントあたりの価値を変更することはしない」と断言しているクレジットカード会社もたしかに存在するが、その一方で、1ポイントの価値を年々引き下げ、ポイント制度を改悪し続けているクレジットカード会社もたくさん存在する。
先のことはわからないので、ポイントが貯まったらすぐに、商品券などに交換するほうが得策ではないだろうか。あるいは、楽天カードなどのように、1ポイントからいつでも支払いなどに利用できるというクレジットカードもおすすめだ。せっかく貯めたポイントを無駄にしないように、賢く考えてみて欲しい。また、ポイント制度の改編はだいたい年に1度行われるので、情報をしっかりチェックするようにしよう!