ネット通販が一般化した今、インターネットでクレジットカードを利用しなければかなり不便な時代になった。その一方で、不正利用が頻発しているため、自分もその被害に遭わないかと心配で、「自分のカードが勝手に使われてしまったらどうしよう…」「不正使用されたら、とんでもない被害になってしまうのでは…」などと、心のどこかで不安を感じながらカードを使っているという人も少なくないだろう。
しかし、クレジットカードにはオンライン不正利用保険という保険がある。これがあれば、クレジットカードをオンラインで利用することは決して怖くはない。今後、ますますクレジットカードのネット利用は増えていくはず。もしもの時に困らないように、この機会に、このオンライン不正利用保険についてしっかりと知っておいて欲しいと思う。
クレジットカードのオンライン不正利用保険とは?
オンラインでの不正利用をカバーしてくれる保険:
クレジットカードによって、オンラインプロテクション、ネットプロテクションなどの名称で呼ばれることもあるが、内容は同じもの。オンライン不正利用保険とは、インターネット通販など、ネット上で自分のクレジットカードが悪用されてしまった場合にその損害額を補償してくれる保険のこと。たとえ50万円使われようが100万円使われようが、もっと高額であろうが、不正使用された場合には、あなたがそのお金を1円も支払わなくてもいいようにしてくれる保険だ。
通販サイトなどから自分のクレジットカード番号が流出して悪用されてしまった場合はもちろん、フィッシング詐欺と呼ばれる、多くの人が騙されてしまいがちな悪質で巧妙な詐欺被害にうっかりひかかってしまったような場合でも、あなたがお金を払わなくていいように守ってくれる心強い保険だ。
オンライン不正利用保険が有効な事例:
被害事例 | 保険適用? | 備考 |
---|---|---|
オンラインショップから個人情報が流出してしまい、そのカード番号で勝手に買い物されてしまった。 | あり | ネットショップ以外のサイトなどからの個人情報流出にも対応。 |
悪質なフィッシング詐欺にひっかかり、クレジットカードを悪用されてしまった。 | あり | 自分がだまされた場合も対象。 |
紛失したクレジットカードを使って、誰かが勝手に通販で買い物をした。 | あり | 財布ごとクレジットカードを落としてしまったような時でも安心。 |
オンライン不正利用保険が適用になるのは申請した場合だけ:
オンライン不正利用保険が適用されるのは、あくまで手順に則って申請した場合のみ。また、一般的には、被害から60日以内に申請する必要がある。なにもしなくても、不正使用であれば勝手にオンライン通販被害の損害額を補償してくれるわけではないいことをまずは頭に入れておこう。
そのためにも、毎月必ず利用明細書を確認することが何より大切。自分が利用したはずのない請求が明細書に記載されていた場合には、すぐにクレジットカード発行会社に連絡しよう。カード会社による調査で不正が認められれば、その分の請求額は保険で対応してもらえる。『早期発見』を、原則にしよう!
オンライン不正使用保険が付いていないクレジットカードもある?
オンライン不正利用保険は、基本的には盗難保険の一部。では、なぜわざわざ別の保険になっているかというと、フィッシング詐欺にひっかかったような場合、自分が「他人に暗証番号を教えてしまった」ことになってしまい、盗難保険の対象にならないためだ。いくら巧妙にだまされたとはいえ、盗難保険では本人の「重大な過失」とみなされてしまい、補償対象にならない可能性があるからだ。
しかし、ネットの現状を考えれば、それではこわくて誰もクレジットカードを使えない。そこで、ネット上でもクレジットカードを安心して使ってもらうために、自分がだまされて被害に遭ったような場合でも適用されるように、盗難保険を基にして、その適用範囲を拡大したオンライン不正利用保険が出て来たわけだ。
以前は付帯していないクレジットカードも多かった:
実は、クレジットカード会社の立場からすれば、オンライン不正利用保険を付けると高額な保険金の負担が必要となってしまうので、できれば付けなくないというのが本音。以前は一部のカードにしか付帯されていなかった。しかし、ネットショッピングの利用者数がここまで増えた今、そんなことを言っているクレジットカードは、誰も使ってくれなくなるだろう。そのため、今ではほとんどのクレジットカードが「オンライン不正利用保険」を付帯するようになってきており、特に付帯保険として明記されていなくても盗難保険の一部として適用されることが多い。
とはいえ、オンライン不正利用保険の付帯方法や名称は様々。自分のクレジットカードにオンライン不正利用保険が付帯しているかどうか、付帯していなくても盗難保険でカバーされるのかどうかについて、カード会社のWEBサイトの説明やQ&Aなどで確認するか、わからない場合は直接クレジットカード会社に電話して確認しておくと安心だろう。
知識があれば、むやみに怖がる必要はない:
クレジットカードのネット利用がここまで広がった今は、いつ誰が、不正使用の被害に遭っても珍しくない時代。まずは、その認識を持っておくことが大切ではないだろうか。また、不正利用で本当に怖いのは、不正使用されること自体よりも、知らないうちに悪用されてしまってもそれに気づかないことだ。そのことを肝に銘じておこう!
ネットでのクレジットカード利用では、
- オンラインでの不正利用に保険が適用されるクレジットカードを使い、悪用されても自分で負担しなくてもいいようにしておくこと。
- 利用明細を確認して早く発見すること。
- 発見したらすぐにクレジットカード会社に連絡すること。
この3つを厳守しよう!それさえ守れば、むやむに怖がる必要はなくなる。ぜひ、正しい知識を持って、ネットでもクレジットカードを活用して欲しい!