マスターカード(MasterCard)の「マイナーマスター問題(Minor Master Problem)」とは、簡単にいうと、「店先にマスターカードのステッカーが貼ってあっても、なぜか自分の持っているマスターカードが使えない」という問題のことだ。
もはや過去の話で、基本的には、現在ではこの問題が発生することはないと思ってもいいのだが、知識としてまとめておこうと思う。
Mastercardブランドのマイナーマスター問題とは?:
マイナー マスター問題とは?
マイナー マスター問題とは、日本国内で「マスターカードのステッカーが貼ってある加盟店なのに、実際にはカードが使えない」という問題のこと。一部のクレジットカード会社が発行しているマスターカードブランドのクレジットカードで発生することがあった。
現在では、このようなことはなくなっているのだが、マスターカード利用者の方は、一応頭に入れておいてもいいかもしれない。また、ネット上などで、「MasterCardはマイナー マスター問題があるから、VISAにしておいたほうが良いよ」などという書き込みを見かけたとしても、それは古い情報。カードの国際ブランド選択の際には、特に気にしなくても大丈夫だ。
なぜマイナーマスター問題は発生したのか?
ちなみに、マイナーマスター問題はなぜ発生したのかという理由は、歴史の中にある。マスターカードが日本で発行され始めた時、複数のクレジットカード会社がそれぞれ別に加盟店を開拓をしたためシステムの互換性がなく、後でシステム変更をしたという経緯によって発生したものなのだ。
当初はクレジットカード会社がそれぞれ独自に加盟店を開拓:
日本で最初にマスターカードブランドを普及させたのは、DCカード、UCカード、ミリオンカード(現在の三菱UFJニコス)の3つのクレジットカード会社だが、それぞれ独自に加盟店開拓などを行ったため、当時は3社間のシステムに互換性がなく、店によっては使えないことがあった。しかしその後、システムが改善されて3社の相互利用ができるようになり、この3社が発行したマスターカードはメジャーマスターと呼ばれるようになったのだ。
ところが、今度は、新しくマスターカードを発行し始めたクレジットカード会社が発行したクレジットカードが、メジャーマスター3社の加盟店で使えない場合が出てきた。これがマイナーマスター問題と言われるものだ。
すでにマイナーマスター問題は発生しないシステムになっている:
その後、マスターカードを発行するクレジットカードによって、マスターカード・ジャパンが設立され、 マスターカードを発行する各社間の決済が可能になり、さらに現在では、マスターカードの決済は原則としてMasterCard Worldwideのネットワークを通じて行われるようにシステムが改善されている。そのため、システム上はマイナーマスター問題は発生しないようになっている。
可能性として考えられるのは、古い契約のまま更新されていない加盟店などに古いクレジットカード端末機が残っていて、メジャーマスター以外のマスターカードを認識できない…などといったケース。とはいえ、そんな店舗は、もしあったとしてもクレジットカードが滅多に使われないような店舗のはずなので、遭遇する可能性は、限りなくゼロに近いだろう。
おすすめはVISA、MASTERCARDの両方を持つこと
また、マイナーマスター問題は、あくまでも日本でのマスターカードブランド普及の過程で起きた話。マスターカードは、VISAに次いで世界で多く使われている2大ブランドのひとつだ。海外にいけばVISAカードしか使えないお店もあれば、逆にマスターカードしか使えないお店もある。マイナーマスター問題がある無しに関わらず、理想はやはりVISAとマスターカードの2種類を常に持っておくことだ。
もし手元にVISAカードがあるなら次はマスターカードを、マスターカードが手元にあるのであれば次はVISAを・・・という感じで検討してみて欲しい!