クレジットカードの国際ブランドとは、一つの国の中だけでなく、世界をまたにかけて使うことができるクレジットカードブランドのことだ。
知名度のある国際ブランドでいうと、VISA(ビザ)、MASTERCARD(マスターカード)の2大国際ブランドを筆頭に、AMERICAN EXPRESS(アメリカン・エキスプレス)、DINERS CLUB(ダイナースクラブ)、JCB(ジェイシービー)の5つが有名で、それらを一般的に5大国際ブランドと呼ぶ。
近年では中国発のクレジットカードブランドである中国銀聯(ユニオンペイ)が加わり、6大国際ブランドと呼ばれることも増えてきた。その他には北米を中心としたディスカバーカードなどが有名。
国際ブランドのそれぞれの特徴とは?
クレジットカードの国際ブランドの特徴比較
主な国際ブランドの特徴を表にまとめてみた。それぞれの違いや特徴を知り、役立ててほしい。
国際ブランド名 | 普及度 | 解説 |
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◎ | 世界のクレジットカードの知名度、加盟店数ともに1位のブランド。5大ブランドの中でも特に「世界中どこでも使えるクレジットカード」だと言え、基本的には、VISAカードさえ持っていれば世界中どこでも困ることはない。一枚は確実に持っておきたいクレジットカードだ。日本国内でも、使えるお店に関してはJCBカードよりも多い。非常に使いやすいカードだと言える。 |
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◎ | VISAと拮抗する国際ブランド。こちらもよほどのことがない限り、世界中どこでも利用できると思って間違いない。海外では稀にマスターカードしか使えないこともあるので、よく海外に行くなら、理想はVISAと2枚持つことをおすすめする。 日本においても、使えるお店は特に不便さを感じることもなく、CMの効果もあり、発行枚数がグングン伸びているようである。 |
JCBカード (ジェーシービー) ![]() |
△ | 日本のジェーシービーが運営する国際ブランド。特にアジア圏を中心に海外での加盟店獲得にも積極的。日本国内やアジア諸国においては、VISAやマスターカードとほぼ同様に使える。 しかし、世界的に見ると、アジア以外では、まだまだ先進国の都市部や日本人が多くいくような観光地が中心なため、海外の様々な国や地域によくいく方は、不便さを感じることもあるかもしれない。 |
American Express (アメックス) ![]() |
△ | ブラックカードでも有名なアメリカン・エキスプレス・カードは、通称、AMEX(アメックス)と呼ばれている。持っていることが一種のステータスになる「富裕層向けクレジットカード」だ。年会費も高めだが、その分充実したサポートやサービスを提供してくれる。使える場所はVISAやマスターには勝てないが、日本ではJCBカードと提携しているため、国内で使えるお店は意外に多い。アメリカやカナダといった北米や日本を中心にカードを使う方であれば、不便さを感じることもないだろう。 |
Diners Club (ダイナースクラブ) ![]() |
△ | ステータスのために持つ人が多いクレジットカード。持っているだけで羨望のまなざしを向けられるカードだ。そのため発行が難しいカードで、以前は、日本では医者か弁護士しか持つことができないと言われていた(今はそこまで難しくはない)。ただし、使えるお店はホテルやレストランなどの高級な店が多く、一般的なスーパーなどでは使えないことも多い。日常では不便さを感じることもあるカードとも言えるだろう。 |
中国銀聯 (ユニオンペイ) |
△ | 世界的に広がりを見せている中国発の国際ブランド。中国人観光客の購買促進のために、日本でも使えるお店が増加中だ。また、中国における加盟店数はVISAやマスターカードよりも多いため、出張などで中国によく行く方などは作っておくと便利。日本では三井住友カードやMUFGなどが発行を行っている。 |
Discover Card (ディスカバーカード) |
☓ | アメリカを中心とした地域で利用することができる国際ブランド。JCBカードと提携したため、日本でも不便なく利用できるが、日本では発行されていないため手に入れる機会はないだろう。アメリカ合衆国に長期滞在するような場合には、現地で1枚作ってみると良いかもしれない。 |
世界的には、VISAとマスターカードがダントツ
現状では、世界のカード発行数の90%以上がVISAとマスターカードで占めれている。そのため、このどちらか、もしくは両方のクレジットカードを保有していれば、世界中のほとんどの国や地域でクレジットカードを使うことができる。どの国際ブランドが付いたクレジットカードを作ろるか迷った時は、この2大ブランドのどちらかを作ればいいだろう。
複数のクレジットカードを持つなら、それぞれ違う国際ブランドにするのがおすすめ
日本でクレジットカードを作る場合、VISA、マスターカード、JCBの3種類から国際ブランドを選ぶことができる場合が多い(どれかひとつだけに決まっている場合もある)。もし手元にあるカードがVISAなら2枚目はマスターカードで、3枚目はJCBで、といったように、国際ブランドを変え得て取得しておくのがおすすめ。使える場所も広がり、それぞれの国際ブランドで適用される割引やサービスなども受けられるようになる。
日本で発行したVISAカードやマスターカードは、世界で使える
念のため書いておくが、日本で発行したVISAカードやマスターカードでも、世界中の加盟店で利用することができる。
例えば日本発行のVISAカードをアメリカやフランス、イタリア、韓国、インドなどにあるVISA加盟店(VISAカードが使えるお店)で使うことができるし、もちろん、アメリカで発行したVISAカードを、日本で使うこともできる。つまりVISAやマスターカードといった国際ブランドには、国境という垣根はない。というか、国境がないからこそ、国際ブランドと呼ばれているわけだ。
日本でも様々な国際ブランドの付いたクレジットカードが発行されているので、海外旅行に行く場合にはVISAやマスターカードと提携したクレジットカードを作って持っていくと良いだろう。
海外旅行で意外と役立つこともあるJCBカード
JCBカードは、海外旅行には向かないと言われることも少なくない。実際、海外にもっていくために絶対に作った方がよいというクレジットカードではないが、行き先が観光地などの場合にはちょっと話が変わってくる。
その理由は、JCBカードは有名観光地に「JCBプラザ」というJCBカード会員のためのヘルプセンターを設けているからだ。このJCBプラザはロサンゼルス・ホノルル・北京・パリなど世界に設置されていて、そこに行けば日本語で観光案内を受けることができ、現地で使えるクーポン券などももらえる。その他、観光案内のスマホアプリを提供している地域もある。
英語や中国語などの外国語に不安があるという方は、JCBカード会員になってJCBプラザを利用するとなにかと便利!旅行前には、渡航先にJCBプラザがあるかをチェック!ぜひ、JCBカードをつくることも考えてみよう。
発行枚数だけで言えば中国銀聯カードが世界ナンバー1
中国銀聯カードの発行枚数は、VISAカードを抜いて世界で1位になっている。日本でも、インバウンド観光の誘致のため、銀聯カードが使えるお店は拡大している。
ただし、中国銀聯カードの多くは、厳密にいうとクレジットカードではなくデビットカード。中国人であれば銀行口座の数だけ中国銀聯カードを保有しているということになるため、人口の多い中国での発行が急増しているという背景がある。留学や出張など長期中国に滞在するのであれば、持っていることをおすすめする。
クレジットカードをつくるときの、国際ブランドの選択
日本にあるクレジットカード会社では、VISAカード・マスターカード・JCBなど複数の国際ブランドが付いたクレジットカードを発行している企業が多い。
例えば楽天カードは、VISA・マスターカード・JCB・アメリカン・エクスプレスと4つの国際ブランドと提携してクレジットカードを発行。これは、楽天カードをこれから作ろうと思っている人の中に、VISAが欲しいと思っている人もいれば、マスターカードが欲しいと思っている人もいるため。それぞれのニーズに応えるために、どの国際ブランドのクレジットカードにするかを、自分で選ぶことができるようになっているというわけだ。
初めてクレジットカードを作るという方は、海外に行くなら、VISAかマスターカード、国内だけならVISAかJCBのクレジットカードを作っておけば間違いないので、自分の好みで選んでみて欲しいと思う。ただし、クレジットカードの中には、あらかじめ付帯する国際ブランドがひとつに決まっていて選べないものもある。いつでも必ず自分で選べるというわけではないことも、知っておいてほしい。