個人信用情報における事故とは、金融に関するトラブルのこと。度重なる延滞や支払い拒否をした場合や、債務整理、自己破産、不正利用などの法的手続きを受けた場合など、クレジットカード会社に大きな損害を与えるような状況のことを言う。
金融事故情報が個人信用情報として記載されると、情報は多くの金融機関に参照され、信用をなくしてしまう。一般的に言う「ブラックリストに載った」状態になるわけだ。こうなると、クレジットカードを新規に作ることはもちろん、キャッシングなどでの借入もほぼ不可能となるので、注意が必要だ。
金融事故に関する基礎知識:
金融事故とは?
金融事故とは、先ほども説明したとおり、長期の延滞や踏み倒しをしたり、債務整理・自己破産など法的な手続きをとるに至った状態のこと。手短に言えば、お金を返せなくなってしまったということだ。このようになると、個人のお金に関する信用情報を管理している個人信用情報機関に記録されてしまうので気をつけよう。
クレジットカード会社は審査の時に、個人信用情報機関に記録された情報を必ず確認することになっている。特に、クレジットカード会社が必ず参照するCIC(シーアイシー)という個人信用情報機関に事故情報が掲載されてしまうと、クレジットカードの入会審査はかなり厳しくなってしまう。
金融事故記録は長期にわたって照会される:
記録された個人信用情報機関にもよるが、一度事故が記録されてしまうと、いわゆる「ブラックリストに掲載された」状態になり、支払延滞は2年間、自己破産や任意整理などの法的手続きがあった場合は5年間、消えることはない。
この期間中にカードを申込んでも、ほぼ審査に通ることはないので注意しよう。逆に言えば、事故を起こしてもそれだけ待てば記録は消えるので、それ以降に申込めば審査に通る可能性が出てくるということになる。
ちょっとした延滞がすぐに事故扱いになるわけではない:
「口座が残高不足で支払いができなかった。ブラックリストに載ってしまったらどうしよう…」そんな心配をする人もいるかもしれないが、支払いが数日遅れたからといって、即事故扱いになるわけではないので安心して欲しい。
このような「うっかり」は誰にでもあるもの。クレジットカード会社もそこまで厳しくはない。すぐに連絡して、対処すれば大丈夫だ。目安としては、3ヶ月以上延滞すると確実に事故として記録されてしまうようだ。ただし、このあたりはクレジットカード会社によって異なり、1ヶ月以上の延滞でも登録してしまう場合もあるようなので、残高不足に気がついたら、できるだけ早くクレジットカード会社に連絡して指示を仰ぐといいだろう。
カード審査には絶対に通らないのか?
事故情報が登録されてしまったら、クレジットカードの審査に通るのは難しいと思っておいたほうが良い。審査に甘いクレジットカード会社や振興クレジットカードなら通ることもあるなどと言われることもあるが、それはよほどのレアケースだと思って欲しい。
先に紹介した通り、事故情報の記録は2年~5年待てば消えるので、それ以降に申し込むのが懸命だ。今は、審査のない国際ブランド付きデビットカードやプリペイドカードなどの選択肢も増えているので、クレジットカードと同じ感覚でキャッシュレス支払いを行うこともできる。
自分の情報登録情報は確認できる:
なお、本当に事故情報が登録されているのかどうか、期間が経過して消えたのかどうかなど、自分の記録がどうなっているのか心配な人は信用情報機関に確認してみよう。各個人信用情報機関とも、情報開示請求を行えば、情報がどのように登録されているか知ることができるようになっている(詳しくは、「クレジットカードの個人信用情報とは?」も参考に)。
本人が自身の情報の開示請求をしたという事実は外部には公開されないので、気にせず申し込むことをおすすめする。心あたりがある場合はもちろん、自分では理由がわからないのに、クレジットカードに申し込んでもなかなか審査に通らないというような場合も請求してみてもいいかもしれない。