あなたが普段、何気なく買い物などで利用しているクレジットカード。
しかし、そのカードの利用履歴が影響して住宅ローンが組めなくなる可能性があるということを、ご存知だろうか?
今回はクレジットカードの利用歴が悪いといかに怖いことがあるのかを、初心者向けにわかりやすく徹底解説。この記事を読んで、もっとクレジットカードを大切に使わないといけないな…と思ってもらればうれしいと思う。
このページの目次:
クレジットカードの利用露歴は、専門機関で管理されている
あなたのお金関連の情報は把握されている:
まずは基礎の基礎。あなたのクレジットカード利用履歴は、専門機関に登録され、多くのクレジットカード会社で共有されていることはご存知だろうか?
その専門機関とは、個人信用情報機関と呼ばれるもの、2016年11月現在、日本には3つの個人信用情報機関が存在し、クレジットカード会社は、最低でもそのうちのひとつの会員になって、随時、会員に関する情報を登録する義務がある。
その結果、個人信用情報を見れば、あなたの個人情報から、何枚のクレジットカードを持っているのか、毎月支払いはちゃんとなされているのか、ローンはあるのかなどなどに至るまで登録されており、、お金の面からのあなたの信用度合いがしっかりわかるようになっているのだ。もちろん、新しくクレジットカード入会の申し込みがあった場合、クレジットカード会社はそこに登録されているその人の情報を必ずチェックしている。
個人信用情報機関に登録されている情報例:
- あなたの本名
- あなたの生年月日
- あなたの性別
- 保有しているクレジットカード枚数と種類
- 毎月クレジットカード利用があったかどうか
- 利用代金の支払いがされたかどうか
- リボ払いや分割払いの残高
- キャッシングの利用残高
各カードごとに利用歴はまとめられている:
このように、個人信用情報機関には、あなたが現在○○カードを持っていて、毎月そのカードで利用があったのかどうか、そしてその支払いがちゃんとがなされているのかどうか?といった情報が、クレジットカードの種類ごとにまとめられていまる。
なぜそれらの利用歴がまとめられているのか?
ところで、なぜこのような利用歴がまとめられているのだろうか?個人信用情報機関などというものを設けて、わざわざあなたの情報を保管する目的とは?
原則は使いすぎ&悪用防止:
その答えは、クレジットカードの使いすぎ防止や悪用防止のため。また、クレジットカード会社としては、利用代金を踏み倒されたりするリスクを減らすためだ。例えば、以下のような人に新しくカードを発行しない可能性が高い。
- すでにクレジットカードを10枚以上も持ってる人
- 未払い残高が50万円以上ある人
- カード代金の支払いがたびたび遅れている人
簡単にいうと、『カードを発行してはいけない人』にクレジットカードを渡してしまわないようにするための情報共有が、専門機関によってなされている…と考えればわかりやすいと思う。
クレジットカード会社は個人信用情報をいつでも照会可能:
利用履歴の照会は、各機関の会員になっていればいつでも可能。自社のクレジットカードが欲しいと申し込みしてきた人や、すでに自社カードを持っている人の情報をチェックすることができる。
新規入会審査での情報照会例:
個人信用情報の良し悪し | カード会社側の心情 |
---|---|
他社のカード利用歴が良い | 信頼できるから自社のカードも使ってもらおう! |
他社のカード利用歴が悪い | 自社のカードを使わせたらリスクがある。発行は止めておこう |
このように自社の利益になる人にはクレジットカードを発行して利用させ、自社のカードを悪用しそうな人には使わせないという流れになるわけだ。
過去のカード利用歴の蓄積は怖い:
ここからは、話の核心に入っていこう。もしも、個人信用情報機関に登録されたあなたの信用情報がよくなかったら、どういうことが起きるだろうか?
クレジットカードの新規入手がしにくくなる:
信用情報が悪いと、新しいクレジットカードの発行は難しくなる。その理由は言うまでもなく、クレジットカード会社が、『この人は信用できそうにないな』と判断してしまうため。実は、これがクレジットカード審査落ちのもっとも多い理由だ。
信頼できないあなたにはクレジットカードは渡せない:
信頼ができないあなたに自社のクレジットカードを持たせてしまえば、買い物で使われた分のお金の回収が難しくなったり、踏み倒されてしまったりする危険性があるので、カード会社側としてはとにかく持たせたくないと判断します。
たびたび支払いが遅れているなど、カード利用歴が著しく悪いと、ゴールドカードやプラチナカードはもちろん、年会費無料のクレジットカードでさえ作れなくなるケースがあるので要注意だ。
クレジットカードの継続利用ができなくなることも…:
新規発行だけでなく継続利用できなくなる場合も考えられる。クレジットカード会社は、途上与信と言って、入会後も定期的に会員の個人信用情報をチェックしている。そのため、他のクレジットカード会社で踏み倒しなどを行うと、わかってしまうのだ。当然、信用がおけないと判断した相手にはクレジットカードを使わせるのをやめさせたいはず。
そこで、有効期限が切れた際の更新時や、有効期限が切れていない場合であってもクレジットカード利用停止処分を行うことがあるわけなのだ。
カード利用歴が悪いと、クレジットカードを発行してもらうことが出来た場合でも、その利用限度額(そのカードで使える上限金額)が少なく設定されるケースもある。クレジットカード会社としてみれば上限を低めに設定することでリスクを少なくしようとしているわけだ。この場合、すぐに上限に達してしまうために買い物などあまり使えないカードになってしまう。
住宅ローンや車のローンも組めなくなる可能性あり:
個人信用情報を照会できるのはクレジットカード会社だけではない。銀行や消費者金融などの貸金業者や、公的機関もあなたの利用歴を確認することができる。
そのため、クレジットカードの支払いを忘れてしまったり、リボ払いばかり利用して残高が膨らんでいたりすると、信用度が落ちてしまって、住宅ローンや車のローンまで組みにくいことになる可能性もある。ローンを組めた場合でも、信頼がおけない相手ということで貸出金利が高く設定されてしまうなんてこともあるので、注意が必要だ。
カード利用歴 | 貸出可否 | 貸出金利 |
---|---|---|
利用歴がとても良い | ◎ | 優遇金利などで借りられる場合も |
利用歴が普通 | ◎ | 一般的な金利でローンを組める |
利用歴がやや悪い | △ | ローンが組めるかどうかはあなたの様々な条件次第。 組めた場合でも金利を高く設定される可能性も。 |
利用歴がかなり悪い | ☓ | 担保や頭金がなければまずローンを組めない。 組めた場合でも高い金利手数料を請求される |
結婚したので夢のマイホーム…なんて思っても、クレジットカードの利用が悪いだけでローンが組めないなどということになったら、人生設計すらも狂ってしまいかねない。たかがクレジットカードの支払いの遅れ…などと侮らず、クレジットカードの支払いだけはどんなことがあっても遅れないようにして欲しい!
カード利用履歴が悪いと判断されるケースとは?:
クレジットカードの利用歴が悪いとは、どの程度のことを言うのか…。以下に、もう少し具体的な話をまとめておこう。
支払日までにクレジットカード利用代金を支払わない:
銀行口座の残高不足などを含めて、支払期日までにクレジットカード利用代金を支払わない…、これが一番ダメなケースだ。
後払いできるクレジットカードとは、いわば借金ができるカード。クレジットカード会社は、あなたを信用してカードを発行しているわけだが、もしも利用した代金を払ってもらえなければ持ち出しになり大赤字。貸したお金を返さない人は、最大の要注意人物だ。
そのため、期日までにしっかり代金を払ってくれない人は、銀行口座にお金もないのにカードをどんどん使ってしまう浪費癖のある人、またはお金にルーズな人だと判断されて敬遠されることになってしまう。
ちょっとでも遅れたらダメなのか?
誰でも、うっかりミスで口座残高が足りなかった…などということはあるので、クレジットカード会社もある程度は大目に見てくれる。すぐに入金してカバーすれば大丈夫。催促されても、3か月以上も未払いが続いたり、毎月毎月遅れたりするようになれば、個人j信用情報機関にその情報が登録されることになるだろう。
分割払い、リボ払いを使いすぎている:
分割払いやリボ払いといった先延ばしの支払方法は、金利手数料という収益が得られるので、クレジットカード会社も大歓迎ではあるのだが、それもあくまで適度であればの話。使いすぎて、常に未払い残高がたくさん残っている…などという場合には、『これ以上使われたら自己破産などをされてしまうかも…』と考え、新規入会の審査で落としたり、更新しなかったりする可能性が高い。
住宅ローンでは利用自体が問題視されることも…:
ちなみに、基本的に「分割払いやリボ払いを使っている=お金に困っている」と見ることができるので、それらの支払方法の利用者は住宅ローンなどの大きなローンは組みにくくなることもある。その意味でも、分割払いやリボ払いは安易に使い過ぎないようにして欲しい。
クレジットカードでキャッシングをしている:
クレジットカードを使ってキャッシング(お金を借りること)をしている方も要注意。少額だけを借りて、すぐに返している…などという方であればクレジットカード会社にとって良いお客さんになりえるが、すでに他でたくさん借りてしまっているという場合には、危険な人としてマークされかねない。キャッシングを利用している方はそれだけ信用力が低いと考えておこう。
この場合も住宅ローンなどの審査ではマイナス。キャッシングを利用している人は、住宅ローン申込の前に完済してしまった方がいいだろう。
大量のクレジットカードを保有している:
大量のクレジットカードを持っている方も要注意。保有枚数が多いということは、それだけ多くの金額を利用することができるということでもあるので、カード会社側は、貸したお金の回収が難しいかもしれないと考えるためだ。
もちろん、年収とのバランスなどもあるので一概には言えないが、それぞれのクレジットカードをきちんと使っていても、保有枚数があまりにも多ければ、それだけで信頼のできない利用者だと判断されてしまうこともあるので注意して欲しい。
どうすれば失った信用を取り戻せるか?
若いころに、無知によってにクレジットカードの支払いに遅れてしまった!という方や、ルーズで常日頃からカード代金の支払いが遅れている、などとという方は、ここまで読んでちょっとあわてているかもしれない。そんな方のために、最後に、どうすればあなたのカード利用歴が良くなるのかをまとめておきたい。
基本はクレジットカードを正しく使い続けること:
基本はやはりこれ。履歴をよくする第一の方法は、心を入れ替えてクレジットカードを健全に使い続けること。
個人信用情報は永遠に頃るわけではなく、これまでの利用履歴が悪いという方も、これから正しく使っていけば、それも実績になっていく。2年くらい健全に使い続ければ、信用度は高くなっていくので、がんばってみて欲しい。
これって会社内評価みたいなものです。遅刻ばかりする社員が『もう遅刻しない!』といっても誰も信用しませんが、その方が1年間、無遅刻で出勤してきたら『あいつのことを信用してやろう』と思うはず。クレジットカード利用歴も同様で、銀行やカード発行会社の評価を変えるためにも、健全に利用し続けることが大事…というわけなのです。
専門機関内のカード利用歴情報も上書きされる:
安心してほしいのは個人信用情報は、情報内容によって異なるが、かなり悪い情報でも5年~7年程度で削除されるということ。過去の失敗は消えなくても、すくなくとも個人信用情報機関に記録されているカード利用歴については、時間が解決してくれる。
ただし残念ながら、専門機関内の情報は削除されても、あなたが踏み倒しなどの事故を起こしてしまった場合、そのクレジットカード発行会社の社内情報としては、半永久的に残り続ける可能性が高い。同じカード会社発行のクレジットカードを作る場合には、審査が厳しくなることは覚悟しておこう。
以上、長くなったが、クレジットカード利用履歴の重要性とこわさについてまとめてみた。参考になっただろうか?一人でも多くの方に、この情報を、トラブルなくクレジットカードを使っていただくためのきっかけにしていただければうれしく思う。