クレジットカードのフレックス払いとは、お金の状況などに応じて、フレックスな(融通が利く)払い方ができる支払い方法のこと。
多くの場合、毎月支払わなくてはいけない最低支払い金額が決まっていて、それ以上の支払いたい時には、コンビニ払いや銀行振込などで気軽に払うことができるというしくみになっている。お金が無い時は、毎月の最低支払い金額だけを払い、お金に余裕が出てきた時には多めに返済するという、いわば消費者金融のしくみをクレジットカードにしたような支払い方のことだ。
フレックス払いに関する基礎知識:
フレックス払いとは:
フレックス払いとは、支払金額を自由に変えることができる支払い方法。一般的には、以下の様なしくみになっている。
・毎月の支払い金額を自由に設定
・カード利用月額が設定金額以下の場合は、一括払い
・カード利用月額が設定金額を超えた場合は、その超過分だけ翌月以降のリボ払い
・支払額は自由に変更可能
フレックス払いを提供しているクレジットカードには、以下のようなものがある。
・JCB「支払い名人」
・三井住友カード「マイ・ペイすリボ」
・三菱UFJニコス「楽Pay(らくペイ)」
リボ払いとフレックス払いの違い:
フレックス払いに似たものに、リボ払いがある。最近ではむしろ、このリボ払いの方が知られるようになってきていて、各クレジットカード会社から、リボ払い専用カードも登場している。では、リボ払いとフレックス払いでは何が違うのだろうか?
実は、リボ払いとフレックス払いの違いは、現実的には、ほぼ言葉の違いのみで、実質的には同じようなものだと思っていい。
フレックス払いの特徴は、「返済額が自由に変更できる支払い方式」という点であり、「リボ払いのようにいつまでも返済が終わらないというリスクを防ぐことができる」ところもメリットだとされていた。しかし、最近は、リボ払いでも同じような支払い方ができるようになっているので、違いが少なくなってきている。
あえて違いを挙げれば、あくまで傾向として…ということではあるが、フレックス払いをアピールしているクレジットカードはATMやコンビニでの返済に融通が利いたり、インターネットバンキングとの提携を行って、返済が楽に行えるケースが多いようである。
フレックス払いとリボ払いの比較:
比較項目 | リボ払い | フレックス払い |
---|---|---|
支払い金額 | 最低支払い金額は必ず支払う。 設定金額を超えた分は、翌月からリボ払い。 それ以上の返済も自由な場合もある。 |
最低支払い金額は必ず支払う。 設定金額を超えた分は、翌月からリボ払い。 それ以上の返済も自由。 |
支払い方法 | ほぼ100%、銀行口座引き落とし。 | 銀行口座引き落とし以外に。コンビニやATM、CDなどを使って返済できることが多い。 |
支払いサイクル | 一般的なクレジットカードと同じ。 | 支払いサイクルが長めに設定されているカードも多い。 |
このように、若干ではあるが、リボ払いよりもフレックス払いのほうが、よりお金に困った方向けの仕様になっていると言えそうだ。なお、毎月支払う最低設定金額はいつでも変更可能であり、設定金額内は手数料無料というかたちが一般的になっている。
フレックス払いの注意点:
リボ払い同様、このフレックス払いでも、金利手数料が非常に高い傾向にあり、未払い分に対して毎月金利がかかるのが一般的だ。こういったカード にお世話にならなくて済むのであれば、使わないにこしたことはない。お金に困った時や、ちょっと大きな買い物をしたい時などに、計画的に上手に使うと良いだろう。
フレックス払いは、別名「「ある時払い」とも言われる。その名の通り、お金がある時に支払えばいいという便利さはあるが、逆に言えば、無いときは払わなくていいということで、お金の管理ができないルーズな方は、先送りばかりしてしまいかねない。
月々の懐具合をきちんと管理し、支払金額の設定変更などを細目に行うのでなければ、フレックス払いのメリットは享受できず、ズルズルと金利ばかりがかかる事態にもなりかねないので、くれぐれも注意して欲しい。
【コラム】フレックス払いカードの元祖はJCBのarubara(アルバラ):
フレックス払いカードを世に広めたのはJCBカードが発行していた「arubara(アルバラ)」というクレジットカード。これは、なんと、「ある時払い」という言葉を省略したネーミングだそうだ。
金額が自由に設定できて、コンビニで支払えてポイントも2倍貯まる!ということで、フリーターやサラリーマンを中心に絶大なる人気を誇っていたのだが、2006年の貸金業法改正や、類似クレジットカードが多数発行されたことなどで勢いが鈍化。残念ながら2007年に発行停止となった。なお、現在ではJCB EITというリボ払い専用カードが、その後継モデルとなっている。