楽天経済圏とは

楽天経済圏とは、楽天のサービスをたくさん利用すると楽天ポイントがザクザク貯まる、楽天グループ全体の仕組みのことだ。また、そのように楽天経済圏を利用したおトクな生活を始めることを「楽天経済圏に入る」と表現することもある。
「楽天経済圏」という言葉にはハッキリとした定義はないが、2020年に入りネットを中心によく聞かれるようになった。
楽天経済圏に入る、とは、具体的には買い物であれば楽天市場、光熱費であれば楽天でんき、スマホなら楽天モバイル、銀行なら楽天銀行、保険なら楽天保険……と、生活に必要なサービスを楽天のサービスに切り替えることを指す。楽天のサービスを利用することによって、サービス共通である楽天ポイントがザクザク貯まるようになる。
貯まったポイントの使い道もたくさんある。街のお店やネット通販で買い物をしたり、旅行代金を払ったりできる。普段の生活をちょっとお得にするために使ってもいいし、少し背伸びして豪華なディナーのために使うのもアリだ。
今回は楽天経済圏の攻略方法と、楽天経済圏の利用に必須となる楽天カードの選び方について解説する。
楽天経済圏でどんどん得するための方法

楽天経済圏に入るためには、SPUの対象となっている楽天グループのサービスを使えばOKだ。それら楽天のサービスを利用するときに楽天カードで支払うようにするだけで楽天ポイントがザクザク貯まるようになる。下記の3つは特におすすめのサービスだ。
- 楽天市場での買い物(もしくはRebatesでの買い物)
- ふるさと納税
- 楽天トラベル
具体的には最初にSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象となっている楽天グループのサービスを利用する。そうするとサービスの利用数に応じて楽天市場内で買い物をしたときの獲得ポイント率が上がるので、日用品やファッションアイテムなどを購入する際に楽天を利用すればポイントがどんどん貯まるようになる。
楽天市場SPU(スーパーポイントアッププログラム)についてはこちら
SPU(スーパーポイントアッププログラム)
SPUは以下の楽天のサービスを利用すればポイント倍率がアップする。簡単にだが各サービスと倍率を明記しておこう。
サービス | 倍率 | 達成条件 |
---|---|---|
楽天モバイル | +1 | 対象サービスを契約 |
楽天ひかり | +1 | 対象サービスを契約 |
楽天カード | +2 | 楽天カード(種類を問わず)を利用して楽天市場で買い物 |
楽天銀行+楽天カード | +1 | 楽天銀行の口座から楽天カード利用分を引き落とし |
楽天の保険 +楽天カード |
+1 | 「楽天の保険」の保険料を楽天カードで支払い ポイントアップ対象は支払い月の翌月の楽天市場の買い物 |
楽天でんき | +0.5 | 加入&利用 |
楽天証券 | +1 | 月1回500円以上のポイント投資 楽天ポイントコースへの設定・再設定が必要 |
楽天トラベル | +1 | 対象サービスを月1回5,000円以上予約し、対象期間の利用 バスの予約は対象外 |
楽天市場アプリ | +0.5 | 楽天市場アプリでの買い物 |
楽天ブックス | +0.5 | 月1回1注文1,000円以上の買い物 クーポン割引後の税込金額 |
楽天Kobo | +0.5 | 電子書籍を月1回1注文1,000円以上の買い物 クーポン割引後の税込金額 |
楽天Pasha | +0.5 | トクダネ対象商品の購入&レシート申請で、合計100ポイント以上の獲得 |
Rakuten Fashion | +0.5 | 月1回以上買い物 |
楽天TV NBA Rakuten |
+1 | NBA Rakutenもしくは楽天TV「Rakuten パ・リーグ Special」加入・契約更新 |
楽天ビューティ | +1 | 月1回3,000円以上利用 |
なお、このポイント倍率はあくまでも楽天市場での買い物に対して適用されるものだ。楽天市場以外での買い物のポイント倍率は、SPUでは変化しないので注意しよう。
楽天市場でのお買い物
SPUでポイント倍率を挙げると、楽天市場でのお買い物でポイントがザクザク貯まるようになる。狙い目は3つのイベント開催時。まずは楽天カードの利用でポイントが5倍になる「5」と「0」のつく日。次に年4回実施される楽天スーパーセール。最後は毎月開催されるお買い物マラソンだ。
なんでもない日に楽天市場でお買い物するよりも、こうしたイベント時を狙って買い物すれば効率よくポイントを貯めることができる。計画的に買い物していくのがコツだ。
故郷を応援!ふるさと納税を利用する
税金の還付・控除が受けられるふるさと納税は、楽天市場のサイトからも利用できる。手続きは不要で普段通りのお買い物でOK。楽天ポイントを貯めることも使うことももちろん可能。ふるさと納税を楽天で行うことのメリットは、寄付額に応じて楽天ポイントが貯まることだ。
例えば100,000円の寄付であれば通常だとポイントが1%付与されるため、1000ポイントが貯まる。もしこれがSPUの条件達成で+4倍になっていたら、4000ポイントが付与される。
楽天のふるさと納税を利用するということは、税金の還付・控除を受けられつつポイント還元も恩恵を受けられるため、非常にオイシイということである。
しかし、SPUでのポイント月間獲得上限は会員ランクによって決まっているので、注意しよう。ポイントがあまり貯まらない月に利用するのが得策だ。
旅行時は楽天トラベルを利用する

長期の休みや実家への帰省には楽天トラベルを利用しよう。楽天トラベルなら宿泊先の予約はもちろん、航空券、高速バス、レンタカーの予約もできる。日帰りツアーなども充実しているので、急に休みが取れたときに少しゆっくりしたい場合、サクッと行き先を探すことも可能だ。
ラクーポンという楽天の割引クーポンが利用できるので、お得に宿泊できることも。割引額は500~3,000円程度だ。
楽天経済圏で貯めたポイントのお得な使い方
楽天経済圏でたくさん貯まったポイントのお得な使い方についても解説しよう。
ざっくり言うと、1ポイント=1円相当として楽天サービスやコンビニ、飲食店などで使える。
もちろん、上記でも触れたが楽天トラベルのような楽天グループが展開しているサービスにも利用ができる。
具体的にどんなところで使えるのかまとめよう。
楽天ポイントカード加盟店で使う
楽天ポイントは楽天ポイントカード加盟店で利用できる。
楽天ポイントカード加盟店であれば、ポイントカードを読み込んでもらったあとにポイントで支払える。
カードタイプの楽天ポイントカードはもちろん、楽天カードや楽天ゴールドカードといったクレジットカードの裏面にあるバーコードや、楽天ポイントカードのアプリや楽天カードの専用アプリである「e-NAVI」からも楽天ポイントカードのバーコードが出せるので、スマホ1台で決済も可能。
複数枚の楽天ポイントカードがある場合、あらかじめ楽天ポイントカードのサイトにてカードの追加登録をしておくことをお忘れなく。登録をしておくと、どのポイントカードを利用しても1つの楽天IDに集約してポイントを貯めることができる。
楽天ペイ加盟店で使う
楽天ペイ加盟店でも楽天ポイントを利用することができる。
楽天ペイ決済のときに楽天ポイントを利用する場合は、あらかじめ楽天ペイアプリ内でポイント利用の設定を行う必要がある。「全部使う」「一部使う」と選ぶことができ、次回以降も同じ設定で支払いを行う場合は「次回もこの設定を使う」にチェックを入れよう。
楽天ペイでの決済の場合、前述の楽天ポイントカード加盟店で使うときとは違い、店頭でお店の人に「楽天ポイントを使ってください」と伝えても店員さん側では対応ができない。あくまでも、自分のスマホで事前設定することが前提だ。
楽天Edyに交換して使う

ポイントを楽天Edyに交換することも可能だ。ポイントをEdyで受け取る方法は、まず楽天Edyのサイトから「チャージ」選択し、「ポイントからチャージをする」という項目を選ぶ。ポイントチャージ申請をした後、実際に受取手続きをしよう。受取方法には以下の4つがある。
- ファミリーマートにおいてあるFamiポート
- ららぽーとやアピタなど店頭にあるチャージ機
- おサイフケータイに対応しているAndroidスマホの楽天Edyアプリ
- PCに楽天Edyリーダーやパソリを繋ぐ
なお、以前は「楽天ポイントをEdyにチャージ」ではなく、逆にEdyの残高を楽天ポイントへ交換する方法もあった。しかし、その方法は2019年12月16日に終了している。
月々の支払いに利用する
貯まった楽天ポイントは楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカードのそれぞれの支払いに利用できる。手続きは楽天e-NAVIのアプリから可能だ。
支払いに充当できるポイント数は50~最大500,000となっている。ポイントを使った支払いの設定可能期限は短く、毎月12日~最長24日となっている。締切期限はカード利用代金引落に利用している金融機関によって異なるので注意しよう。
楽天経済圏でどんどん得をするためのあなたに合った楽天カードの選び方
楽天カードには現在3種類のカードがある。通常の楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカードだ。その3つのうちどれを申し込むべきか解説する。
楽天カード
まずは通常の楽天カードだ。楽天カードに入会するとSPUで楽天市場でのお買い物が+2倍となる。年会費がかからないため、初めてクレジットカードを持つ人の最初の1枚としてもおすすめだ。楽天カードを作って、他にも楽天のサービスを利用し始め、楽天経済圏へと軌道に乗ってきたらワンランク上の楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードに切り替えることも可能(要審査)。国際ブランドはVisa、マスターカード、JCB、アメリカン・エキスプレスの4種類から選択できる。ETCカードは発行には550円(税込)がかかるが、楽天市場の会員ランクが「ダイヤモンド会員」もしくは「プラチナ会員」であれば無料で発行可能だ。
こんな人におすすめ→主婦、アルバイト、フリーター、クレジットカードをはじめて持つ人
楽天ゴールドカード
年会費は2,200円と、他社ゴールドカードと比較しても圧倒的な安さの楽天ゴールドカード。楽天市場で1ヶ月4,000円買い物をすれば年会費の元が取れる計算だ。楽天ゴールドカードでは楽天市場の会員ランクに関わらず、ETCカードの発行が無料。楽天ゴールドカードを発行すればSPUのポイント倍率は+4倍。国内空港ラウンジ、一部の海外空港ラウンジ(ハワイ、韓国)が年2回まで利用可能となっている。
こんな人におすすめ→楽天市場で毎月4,000円以上お買い物をする人。年に2回空港ラウンジを利用する人
楽天プレミアムカード
年会費11,000円、利用可能額は最高300万円の、楽天カードの上位版である楽天プレミアムカード。楽天プレミアムカードを発行すればSPUのポイントは+4倍となる。楽天ゴールドカードと同じくETCカードの発行は無料。国内海外の空港ラウンジが無料で利用できるプライオリティパスも無料で発行。プライオリティパスは同じものを公式サイトで取得すると年会費$429(日本円で約44,616円※1ドル104円の時)かかるため、とってもおトクだ。
さらに、楽天プレミアムカードは選べるサービスが3つがあり、その中の一つである「楽天市場コース」に設定すると楽天市場でのお買い物時にポイント+1倍となる。つまり、以下のようにポイントが獲得できるのだ。
- 楽天市場会員+1倍
- 楽天プレミアムカード+4倍
- 楽天市場コース+1倍
合計で+6倍のポイントが付与される。
さらに「お誕生月サービス」と併用すれば最大7倍までポイントが獲得できるようになる。
こんな人におすすめ→楽天市場で毎月5,600円以上お買い物をする人、海外出張や旅行が多い人
楽天経済圏でいくらトクするか?モデルケース(独身男性30歳)
①楽天ゴールドカードを作る
クレジットカードは年会費2,200円の楽天ゴールドカードを作る。そうするとSPUで楽天市場での買い物が+2倍となる。
②楽天銀行の口座を開設する
楽天ゴールドカードを作ったら合わせて楽天銀行の口座開設もしよう。楽天ゴールドカードの利用代金を楽天銀行の口座から引き落としにするだけでSPUで楽天市場での買い物が+1倍となる。
楽天銀行は街ナカの支店を持たない、いわゆる「ネット銀行」だが使い勝手が非常によい。給与受取を楽天銀行に設定すれば他行宛振込手数料が月3回まで無料となる。楽天銀行アプリも使いやすいと評判が良い。
③楽天モバイルを契約する
格安スマホで知名度の高い楽天モバイルを契約するとSPUで楽天市場でのお買い物が+1倍。さらに楽天モバイルの利用料金を楽天カード払いにすると、その分から1%のポイントが還元される。月額2,980円なので、29ポイントが貯まる。
また、楽天モバイルの利用料金は貯まった楽天ポイントで支払うことも可能だ。2020年9月現在は新規加入者1年無料キャンペーンを行っているが、料金が発生てくるようになったら、ポイントで支払うのも一つの手だ。
④楽天ひかりを契約する
楽天では光通信の事業も行っている。マンションプランでは3,800円。利用料金を楽天カード引き落としにすると1%のポイントが還元される。SPUでは楽天市場でのお買い物が+1倍となる。
⑤楽天証券でつみたて投資をする
楽天証券で口座を開設して、投資信託の積立設定をすることでSPUでは楽天市場でのお買い物が+1倍となる。楽天証券では「楽天ポイントコース」の設定をして、楽天ポイントを使って500円以上の投資信託を毎月購入すればOK。
また、毎月50,000円までの投信積立を楽天カードで行うと1%のポイントが還元される。50,000円分の投信積立をすれば500ポイントがもらえる計算だ。
⑥楽天ブックスで本を買う
楽天ブックスで月1,000円以上購入すればSPUで楽天市場の買い物が+0.5倍となる。楽天ブックスでは本だけではなく、CD、DVD、ゲームなども扱っている。本は電子書籍で読みたいという人は次で紹介する楽天koboを利用すれば、同じくSPUで楽天市場での買い物が+0.5倍となる。
⑦楽天koboで電子書籍を買う
楽天koboでは電子書籍が購入できる。こちらも楽天ブックスと同じく月1,000円以上の購入で楽天市場での買い物が+0.5倍となる。マンガや小説、参考書や洋書など品ぞろえも豊富で、クーポン券を配っていることもあるので、お得に購入することが可能だ。
⑧楽天の保険に加入する
楽天の保険はラインナップがさまざまだ。生命保険や医療保険といった健康に関する保険、火災保険や家財保険といった住まいの保険、自動車保険やバイク保険といった乗り物の保険などがある。これらの保険に加入して楽天カードで保険料を引き落としするとSPUで楽天市場での買い物が+1倍となる。
実際にいくら貯まるのか?具体的に計算!
上記を踏まえて、1ヶ月にどれくらいポイントが貯まるのか実際に計算してみた。
もちろん、使い方によってポイントの獲得数は変わってくるので、ここでは仮定として紹介しよう。
- 光熱費(電気・ガス・水道)を毎月10,000円→100ポイント
- 日経新聞電子版の支払い4,277円→42ポイント
- 楽天モバイルの支払い2,980円→29ポイント
- 楽天ひかりマンションタイプ3,800円→38ポイント
- 楽天証券で投資信託を購入30,000円→300ポイント
- 楽天ブックスでビジネス本を2冊購入3,000円→30ポイント
- 楽天koboでマンガ3冊購入1,500円→15ポイント
- 楽天の保険に加入する月3,000円→30ポイント
ここまでで合計584ポイントだ。
さらに楽天市場での買い物は10倍(楽天会員+1倍、SPU+8.5倍、楽天市場アプリからの購入+0.5倍=10倍)となる。
食料や日用品、服などを楽天市場で毎月40,000円程楽天ゴールドカードを使って購入すれば4000ポイントが獲得できる計算だ。

楽天市場には西友があり、こちらを利用すればスーパーと同等の価格で食料や日用品を購入することができる。また西友楽天市場店とは別に、楽天西友ネットスーパーというものがあり、対象エリア内であれば、こちらを利用すれば肉や魚などの生鮮食品が購入でき、お届け時間も2時間単位で利用できる。
服は同じ楽天が運営するRakuten Fasionの利用がお得だ。アプリから購入すればポイントが2倍、クーポンも配っているため、少し安く服を購入することができる。
こんな感じで食料品で月3万円、服に1万円と使えば、毎月楽天ゴールドカードを4万円くらい使う計算となり、4000ポイントが貯まる計算となる。
上の楽天のサービスの利用料(合計584ポイント)と食料品や服などを楽天ゴールドカードで4万円購入した分と合わせると、1ヶ月で合計4584ポイントが貯まることになる。年間だと55,008ポイントを獲得できることになる。
毎月の固定費をこのように楽天のものに切り替えるだけでとてもお得になる。さらに、ふるさと納税で自分の地元の特産品を買ったり、帰省や休暇で旅行する際は楽天トラベルを利用すると、さらにポイントが貯まるように。いずれも支払う金額が大きいので、獲得できるポイント数もおのずと大きくなる。
まとめ

楽天経済圏に入れば、楽天のサービスに切り替えるだけで、その分の利用料金につき概ね1%ぶんのポイントをGETできる。
金融市場から見ると、1%のポイントが得られる、という還元率はとてつもなく大きい。たとえば、銀行に定期預金を預けても、2020年現在ではせいぜい0.002%くらいしか金利がつかない。1%のポイント還元という仕組みは、消費者によって、素晴らしく有益だ。
楽天のサービスをフル活用することでポイントが貯まりやすくなり、さらにそれを使うことで毎月の出費を抑えることができる。
モデルケースで書いたように年間5万ポイント以上を獲得できれば、日々の暮らしを潤すものとなるに違いない。まずは自分に合った楽天カードを作り、少しずつ生活スタイルにうまく楽天のサービスを当てはめて、ぜひゆとりのある生活を送ってほしい。