CRINとはCredit Information Networkの略。全銀協(全国銀行個人信用情報センター)、CIC、JICC(日本信用情報機構)の3つの個人情報信用機関の間で、金融事故情報(ブラック情報)等を共有するシステムのこと。金融機関にとって重要なこれらの情報をいち早く共有することで、うっかりと事故歴のある人に融資してしまうなどということがないようにすることを目的としている。
なお、CRIN(クリン)というのはネットワークの総称で、CRIN協議会という組織によって運営されている。
CRINとは?:
CRINの功績:
CRINができたことによる大きなメリットは、全銀連(銀行系)、CIC(クレジットカード系)、JICC(消費者金融系)の3つの大きな個人信用情報機関の事故情報が共有 されることで、従来のように自己破産者に新規貸し出しをしてしまうといった事態が発生しにくくなったこと。各金融機関が自らが加盟している信用情報機関を通じてこのCRINを利用することにより、消費者への過剰貸付を防ぎ、多重債務者の発生を防止することができるというわけだ。
CRINで共有される情報:
CRINでは、本人情報(氏名、生年月日、住所、勤務先、電話番等)に加え、キャッシングやクレジットカード等の契約情報、さらに支払などの状況(延滞含む)や契約が終了した際の情報も登録される。ただし、各信用情報機関で交流されるブラック情報等はそれぞれの判断となり、かならすしもすべてが共有されているわけではないのが現状だ。
信用情報機関 | 共有する情報 |
---|---|
CIC | 延滞解消、貸倒、本人以外弁済、本人申告コメントなど |
JICC | 延滞、延滞解消、債権回収、保証契約弁済、本人申告コメン |
全銀協(KSC) | 延滞、代位弁済、取引停止処分、強制解約、本人申告情報 |
それでも、CRINの出現によって、昔のように信用情報登録の穴を狙って融資をしてもらう…といった手法は今では非常に難しくなってきている。しかしこれは、結果的には消費者保護にもつながること。事故歴が付いてしまった方はその事故情報が消えるまで、グッと我慢して待つようにしよう。
ただし、全銀協は2015年1月に、CICとJICCとの交流を取りやめている。そのため、全銀協の延滞情報やブラック情報があっても、CICとJICCのみしか照会しないクレジットカード会社の場合は、審査に影響しない可能性が高くなる。