クレジットカードは、4桁の数字からなる暗証番号が必ず設定される。どのような暗証番号にするかは、基本的には、クレジットカードを申し込む際に自分で決めることになっている。
クレジットカードのIC化が進んできた今は、カード払いをする時に、サインではなく暗証番号の入力を求められる場合がほとんどになってきている。海外では、セキュリティのために暗証番号を使った支払いしかできないようになっている国も多く、日本でも「暗証番号を忘れてしまうと、クレジットカードが使えなくなる」という時代が、すぐそこまで来ているといってもいいだろう。そこで今回は、クレジットカードの暗証番号について、徹底的にまとめておきたいと思う。ぜひ最後まで読んでみて欲しい。
クレジットカードの暗証番号に関するあれこれ総まとめ:
1.暗証番号は絶対必要なのか? :
現状では暗証番号を忘れてもクレジットカード決済はできる:
日本国内では、クレジットカード決済時に、暗証番号入力ではなくサインに切り替えるよう要求できるようになっている。そのため、暗証番号を忘れたとしても、クレジットカードで支払いをすることは可能だ。
セキュリティ重視という目的で、「人前で暗証番号を入力したくないので、いつもサインにしている……」という人もいるので、店員さんに対して気にすることなく「暗証番号ではなく、サインでお願いします」と言えばよい。私個人の経験では、先方から「サインと暗証番号、どちらにしますか? 」と聞いてくれたお店もある。
今後は暗証番号が必須になる可能性大:
ただし、サインでも対応できるようになっているのは、あくまでもICカード普及期ならではの過渡的措置。少ないながらもまだICカード対応になっていないクレジットカードも存在することや、利用者が暗証番号を忘れたために買い物ができない……と不便にならないようにするための対応だ。今後は、セキュリティ対策強化のために暗証番号の入力が必須となっていくことは間違いない。
すでにヨーロッパなど、クレジットカードのIC化が100%完了している海外では、ほとんどのお店で暗証番号での認証しか受け付けてくれず、暗証番号がわからなければ利用できないようになっている。海外に行く前には、あらかじめ暗証番号の確認をしておくことをおすすめしたい。日本でも、2020年の東京オリンピックまでには、海外並のIC化を実現させる計画になっている。
キャッシングや券売機では暗証番号が必須:
店舗でのショッピング利用では、以上のような過渡的措置がとられているが、ATMなどでのキャッシングは暗証番号による本人認証は不可欠になっている。
また、自動券売機で、新幹線の切符や航空券などをクレジットカードで購入する時にも、暗証番号は必要だ。忘れてしまうと切符が買えなくなる。そうなると人がいる窓口でしか購入できず、長い列に並ばないといけないなどの不便が生じてしまうので要注意だ。
2.暗証番号の管理の重要性:
管理不足が問われると盗難保険が適用されないことも……:
クレジットカードには「盗難保険」という保険が必ず付帯しており、第三者によって不正にカードを使用された時の代金は保険で支払ってもらえることになっている。これがあることで、安心してクレジットカードを使うことができるようになっているわけだ。
しかし、暗証番号をきちんと管理していなかった場合は、話は別。管理不足の責任を問われて盗難保険の適用外になり、全額自己負担となってしまうこともあるので気を付けよう。例えば、次のような行為は絶対にしないように注意してほしい。
- 暗証番号をメモなどに書いて、カードと一緒に財布等に保管する
- 暗証番号式ロッカーなどでクレジットカードと同じ暗証番号を使用する
- 運転免許証などクレジットカードと一緒に入れているものに暗証番号のヒントがある
- カフェなどで暗証番号について大きな声で話す
このような状況で、もしも誰かに暗証番号を知られてしまった場合は、自己責任を問われる場合があるということだ。
第三者が推測しやすい暗証番号もNG:
暗証番号を決める時には、第三者に推測されやすい番号は使わないようにしよう。例えば誕生日や自分の車のナンバー、電話番号の末尾4桁などを使ってしまうと、第三者にクレジットカードを盗まれた場合に容易に推測され、キャッシングなどで悪用される可能性が高くなるからだ。このような場合も、暗証番号をきちんと管理していなかったとして盗難保険が適用されなくなる恐れがある。
NG暗証番号の例:
- ICカード免許証の暗証番号と同じ番号にする
- 誕生日の数字
- 電話番号と同じ数字
- 住んでいる住所の番地などの数字
- 同じ数字(0000、1111など)や続きの数字(1234、7890など)
暗証番号の付け方のコツ:
推測されにくいほうがいいからと言って、難しい暗証番号を設定した結果自分自身が忘れてしまったり、忘れないようにクレジットカードの裏面に記載しておくのでは意味がない。自分にとっては覚えやすく、第三者には推測しにくい暗証番号を考えよう。以下のようなヒントも参考にして、暗証番号を考えてみて欲しい。
推測されにくい暗証番号のヒント:
- 好きなタレントなどの名前を数字に置きかえる
- 芸能人の誕生日や恋人の誕生日
- ペットや趣味に関わる数字
- 受験番号・学籍番号・出席番号など周りの人は知らない昔の数字
- 恋人や恋人の誕生日
- 自分が生まれた時間
- 今の身分証明書などには書かれていない以前住んでいた住所の番地
3.暗証番号の照会や変更の方法:
暗証番号を忘れたら……:
クレジットカードの暗証番号を忘れた場合には、カード会社に照会手続きをしよう。何回か間違えるとロックがかかってカードが使えなくなってしまうので、暗証番号が不確かな場合には、早めにカード会社に連絡をしたほうが無難だ。
クレジットカード会社によって詳細手続きは異なるが、多くの場合、コールセンターへの電話による依頼や、インターネット上の会員サイトからの照会依頼ができるようになっている。電話の場合は本人確認のため、カード番号、生年月日、自宅の電話番号などが聞かれるはず。クレジットカード会社によって項目は異なるので、電話をする前にホームページで確認しておくとスムーズだろう。
いずれの場合も、暗証番号は後日書面で自宅(クレジットカード申込時の登録住所)に送られてくることになる。セキュリティのため、電話での回答はしてもらえないので、書面が届くのを待つようにしよう。一般的には1週間程度かかると思っておこう。
暗証番号を変えたいときは……:
暗証番号を変更したい場合も、電話やホームページから依頼することが可能だ。
クレジットカードがICカードの場合:
クレジットカードがICカードの場合、暗証番号はICチップの中に記録されている。したがって、暗証番号を変更するときには、そのチップ内の情報も書き換えなくてはならない。そのため、暗証番号を変更するために新しいクレジットカードを再発行することになり、ICカードの再発行手数料がかかる場合もある。
ただし、JCBなどの一部のクレジットカード会社では、セブン銀行などの提携銀行ATMにカードを挿入し、画面に沿って操作することでその場で暗証番号が変更できるようになっている場合がある。このような場合は、その場でICチップの情報も書き換えられ、暗証番号が変更される。同じカードが利用でき手数料もかからないので、とても便利だ。
ICカードではない場合:
ICカードでない場合(磁気ストライプカードなど)は、クレジットカード番号と変更前のパスワードを伝えれば、電話で手続きが完了することがほとんど。クレジットカード会社側で管理している情報を変更するだけなので、カードはそのまま利用できる。
4.暗証番号を盗み出す手口に注意! :
ICカードが主流になり、暗証番号さえわかれば簡単に買い物ができる時代が訪れている。暗証番号を盗み取った上でカードを手に入れれば、勝手にキャッシングをされてしまうといったリスクもある。このことを肝に銘じて、暗証番号を見られたり、教えたりしないようにくれぐれも気を付けて欲しい。
暗証番号式の鍵付きロッカー:
ゴルフ場やスポーツクラブなどの暗証番号式の鍵付きロッカーで、暗証番号を入力しているところを小型カメラで盗撮。ロッカー内の財布などからクレジットカードを盗み取る犯罪が発生している。ロッカーの番号をクレジットカードの暗証番号を同じにしていると、かなり危険だ。
ATM(現金自動預け入れ払い機):
ATMでのキャッシングなどで暗証番号を入力している時に、背後から盗み見る手口。ATM利用時には、周囲に怪しい人物がいないか十分に確認しよう。
フィッシング詐欺:
クレジットカード会社や大手の有名サイトなどを装った偽メールを送信し、偽造サイトに誘導して、そこでクレジット番号・暗証番号などの個人情報を入力させて盗み出す手口。被害が増えているので気を付けよう。
その他、カフェや居酒屋で財布を盗んだ後、警察やクレジットカード会社を名乗って電話をかけてくる手口や、職務質問を装ったニセ警官が身分確認として暗証番号を聞き出すといった、信じられないような手口も実際に発生している。クレジットカード会社や警察官が暗証番号を確認することは絶対にないので、ひっかからないようにして欲しい。