今回はキャッシュレス決済会社の利益はどこから得るのか…をわかりやすく解説。
なぜクレジットカードやQRコード決済を利用するとポイントが獲得できるのか、その理由が気になる方はご覧ください。
読めばキャッシュレス決済ビジネスの仕組みがわかります。
キャッシュレス決済会社の利益について:
早速、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済等のキャッシュレス決済提供会社が、どのように儲けているのかを解説していきます。
収益は加盟店手数料から得ている:
まず、キャッシュレス決済サービスの儲けの仕組みはシンプルで、支払いを受けたお店側が手数料を支払っているだけの話です。
たとえばみなさんがウエルシア薬局でクレジットカード払いを使ったら、ウエルシア薬局側がその手数料を払っているってこと。
- 間違い:
キャッシュレス決済は手数料無料で使える - 正解:
キャッシュレス決済の利用者側は手数料無料だが、キャッシュレス決済を使われたお店側は手数料を負担している
つまりお店側から得られる手数料があるからこそ、キャッシュレス決済サービスが成り立っている…とも言えるのです。
手数料はお店ごとに異なる:
では、どのくらいの手数料をお店側から徴収しているのかというと、これはキャッシュレス決済サービスの種類や、お店の売上によってバラバラ。
たとえばクレジットカード決済の加盟店手数料(お店側が払う手数料のこと)は、大型店舗のほうが低く、個人運営の小型店舗になるほど高くなります。
店舗規模 | 手数料 | 解説 |
---|---|---|
超大型店舗や公共施設 | 1~2%程度 | 国内最低レベルの加盟店手数料が設定されることが多い。ETCカード決済や納税などは1%を割ることもある。 |
大型店舗 | 2%強 | 2%をやや超える手数料が設定されることが多い印象。国内有数のチェーン店舗ともなれば、2%を下回ることも。 |
中型店舗 | 2.5%前後 | 地域に根ざした中堅チェーンや、売上規模の大きい店舗だと2.5%前後に設定されることが多い印象。 |
小型店舗 | 3~5% | 小型店舗は3%強に設定されるのが普通。夜の飲食店などだと5%を超える手数料を徴収されている場合もある。 |
こういった事情に加えて導入コストの負担もあって、小規模店舗ではクレジットカードが使えないことが多いのです。
サービス開始直後だと手数料が割安:
あと、QRコード決済業者など、これからキャッシュレス決済サービスを広めていこう…とする業者だと、手数料を極端に低く抑えることもありますね。
有名なのはPayPayや楽天ペイが実施した加盟店手数料無料のキャンペーン。
これらの時期はお店側の手数料も0円に設定されていたので、PayPayが広く普及する下地となりました(PayPay側は赤字となるが、赤字にしてでも決済サービスを普及させてたかったということ)。
利用者側からも手数料を取っている:
キャッシュレス決済業者の儲けはお店からだけではありません。
たとえばみなさんがお金に困り、クレジットカードのキャッシングやリボ払いを使った際には手数料が発生するので、こういった金利収入も決済業者にとっては大きな収益。
店舗規模 | 手数料 | 解説 |
---|---|---|
キャッシング | 15~18%程度 | カード会社からお金を借りる場合に手数料が発生。借入期間が長くなればなるほど金利が膨らむことになる。 |
リボ払い | 15%程度 | 毎月の支払い金額を少なくするリボ払いを使うと手数料が発生。支払いをすべてリボにする利用者も多い。 |
分割払い | 15%前後 | 家電、家具、医療費などを3分割以上で払うと手数料が発生。主に高額決済で使われがちなので、決済業者が儲かる。 |
ボーナス2回払い | 個別 | 一部の信販系クレジットカードでは、ボーナス2回払いが使えるが、その際に金利手数料が発生する。 |
事実、カード発行会社によってはテレビCMでリボ払いの利便性をアピールし、利用促進を測ってるほどです。
QRコード決済の後払いも一緒:
これはPayPayやメルペイなどが導入している後払いも理屈は一緒。
「支払いを待ってあげるから、その代わりに手数料を払ってくださいな」という仕組みなので、普段は手数料を払っていなくても、金欠時にはしっかり手数料を払うこととなります。
安定収入となる年会費収入:
加盟店手数料や金利手数料に加え、クレジットカードの年会費収入も立派な収益。
年会費無料クレジットカードの発行に積極的な楽天カードやPayPayカードなどではさほど大きな収益にはなっていませんが、逆に年会費が高いアメリカン・エキスプレス・カードように年会費収入が収益の柱となっている企業もあります。
この辺はキャッシュレス決済業者の考え方次第といったところ。
とにかく支払いに利用させて加盟店手数料を稼ぐビジネスモデルとするのか、それとも会員にサービスや優待を提供して年会費収入を稼ぐビジネスモデルとするのか、企業ごとの「色」が出る部分と言えますね。
最終更新日:2023年3月8日