みなさん改正貸金業法という法律はご存知ですか?
知らない方のためにザックリ説明すると、消費者金融やクレジットカード会社が必要以上にみなさんにお金を貸せなくする法律のこと。お金を借りる人はなにをいってもお金を借り過ぎちゃうのだから、それならお金を貸す側を規制しちゃえばいいじゃん!という、なんともいえない理由で改正された法律ですね(だから「改正」貸金業法)。
簡単にその内容をまとめると、この法律が実施されたことでみなさんは、
・年収の1/3以上はお金を借りられなくなりました。
・専業主婦は収入がないため、自分名義でお金を借りられなくなりました。
(どうしてもという場合は旦那の承諾が必要)
お金を貸す側である消費者金融やカード会社は、
・実質18%を超える金利でお金を貸せなくなりました
・大企業ではないとお金を貸せなくなりました(中小は廃業)
・年収の1/3以上はお金を貸せなくなりました
・専業主婦には原則、お金を貸せなくなりました
と、法律が変わったことによって結構な変化が生まれたわけです。
問題はこの改正貸金業法がザル法であるということ:
なんとなく借金をしたことがない人にとってみれば、この改正貸金業法は素晴らしい法律に見えると思います。貸す側も貸しすぎない、借りる側も借りすぎない・・・だからそれって健全なのだろう・・・と。
しかしそんなよさげに見えるこの法律には、もうそんな馬鹿な・・・というくらいのポッカリと大きな抜け穴が空いています。知ってしまえばそんなの意味ないじゃん・・・というくらいの大きな穴で、この穴がある限りこの法律を改正した意味があるの?とすら思えてしまいます。
その抜け穴とは・・・(^^;)
『貸金業の看板を外しちゃえば適用されない』ってこと。消費者金融やクレジットカード会社の名前でお金を貸さなければ適用すらされないんです。
例えばこの2010年11月10日付けの毎日新聞ニュースを見てみてください。銀行の名前でお金を貸せば改正貸金業法の適用外になるので、消費者金融の大手レイクが名前を変えて『新生銀行』の名前でお金を貸しはじめるよ~というニュースです。これなら年収の1/3以上お金を貸してしまってもいいのですから、法律が変わる前のようにじゃんじゃんお金を貸すことが出来ますよね。
しかも考え方によってはイメージの悪い消費者金融の看板ではなく、イメージが良い銀行の名前で以前のようにお金をたくさん貸すことが出来るわけですから、法律改正なんて無視して今後もどんどんお金を貸していくこともできます。テレビCMがよく流れている三菱UFJ銀行カードローンやみずほ銀行カードローンも、後ろにはしっかりと消費者金融やクレジットカード会社がいますよ(^^;)。
ザル法なだけでなく弊害まで生まれてしまっている:
次にもう見事としか言いようがありませんが、この改正貸金業法はただのザル法なだけではありません。この法律のお陰で新たな問題まで生まれ、社会問題になりつつあります(^^;)
一番有名なのがクレジットカード現金化ビジネス。
ご存じない方のために簡単に説明すると、クレジットカード現金化とはクレジットカードを使ってなにかを買い物させてそれをすぐに買い取ることで、あたかもお金を借りたような状況を作ることです。例えば20万円のノートパソコンを購入させて直後に16万円で買い取る。すると20万円の支払いは残りますが、手元には16万円が手に入るため、すぐにお金がほしい人がわらをもすがる気持ちで利用するのです。
これももちろん改正貸金業法の適用外・・・。なにせお金貸してませんからね。
クレジットカード現金化では場合によっては購入金額の50%程度しかお金が戻ってこない・・・なんていう惨いケースもあるようです。昔、ヤクザドラマで話題になったトイチですら10日に1割の金利ですが、クレジットカード現金化ビジネスでは即日で2割~5割の手数料が盗られてしまう。これはもう暴利としか言いようがありません。
でも繰り返しますが改正貸金業法の適用外なので、何割手数料をとろうが問題ありません。ビジネスモデル自体の違法性は問題になっていますが、買ったものを売ってなにが悪い?というリサイクルの考えが世界にある以上、今後もしぶとく形を変えて生き残っていくことでしょう。
だってこれを否定したら1500円で買った本をわずか50円で買い取りされるブックオフは、かなりの悪徳企業になっちゃいますからね(^^;)。現金化業者が10万円の商品を5万円で買い取ったって、苦情は言えないのです。
改正貸金業法の影響で増える闇金:
クレジットカード現金化を始めとする金貸しビジネスがなぜに今、増えているのかというと、改正貸金業法によって5000万円の資産を持たない全国の数万という消費者金融(この場合、街金)が廃業に追い込まれてしまったためです。
中小の消費者金融の多くはそんなにお金を持っていたわけありませんから、仕方なく貸金業を辞めて、他のビジネスをするしかなかったのですね。中にはお金を貸すことの旨みを忘れられずにクレジットカード現金化ビジネスをはじめたものや、ソフト闇金と呼ばれる怖くない闇金になった例も多いと聞きます。
これって言葉は悪いですが、囲っていた狼の群れを野生に放してしまうようなものですよね。登録制でしっかり管理していたものを、改正貸金業の条件に満たないからと廃業に追い込んで野に放ってしまう。たしかに5000万円という資産を持っている残った貸金業者はどれも素晴らしいところばかりなんでしょうけれども、5000万円という資産を持っていなかったところのほうがグレイな会社は多いわけですから、今、これだけ違法業者が増えてしまったのもわかるような気がします。
法律を変えてもザル法では借金漬けの人間は救えない
このように改正貸金業法でお金を借りすぎることを防止しようとしたのでしょうけれども、全くもって逆の効果ばかりが目立つ結果になりつつあります。
本当に自己破産者やそれに伴う自殺者を減らしたいのであれば、お金を貸す側を締め付ける方法ではなく、お金を借りる側を根本から変えていかなくてはいけません。小手先の方法で法律を変えても、結局借りる人は何度でもお金を借りてしまう。それじゃいつまでも解決しませんよね。
いつか本当の意味で効果的な『お金の法律』が出来ることを、金融関連サイトの運営主として切に祈っています。






































